覚醒の太陽(10)
4.精進のパーラミター
これには、二つのセクションがある。
(Ⅰ)精進に不適合な要素、つまり三種の怠惰さを克服すること
(Ⅱ)六つの力などの良き結果をもたらす要素を培うこと
(Ⅰ)精進に不適合な要素を克服すること
無常性という鉤で己を叱咤激励することで、不活発という怠惰を乗り越えることができる。
悪行に執着するという怠惰は、聖なるダルマの喜びについて熟考することで乗り超えることができる。
意気消沈という怠惰は、己を奮い立たせ、誇りを高めることで克服することができる。
(Ⅱ)良き結果をもたらす要素を培うこと
(1)この準備修行は「渇仰の力」であり、善行の功徳と悪行の罪を熟考することで生じる、ダルマの実践への渇仰である。
(2)この主要の修行は「誇りの力」であり、ひとたび善行に着手したら、それを確実に成し遂げるという、心の強さから生じる確固不動なる誓いである。
これには三つの様相がある。
(a)第一は、行為に関しての誇りである。
地上に昇る太陽を例にとろう――これは障害の餌食になってしまったり、環境の影響を受けたりしてはいけないということを意味している。
独力で動いている太陽を例にとろう――これは、他者に頼らずに独力でマーラの力を打ち破り、完全なる悟りを得なくてはならないということを意味している。
最後に、その光で世界中を輝かせる太陽を例にとってみよう――智慧、慈悲、そして菩薩の大願によって祝福されたならば、われわれ自身が衆生を鼓舞することができるようになる。つまりわれわれは、無限の宇宙の至る所に存在する衆生に幸福をもたらすために、真剣に努力するのである。
(b)能力に関する誇りとは、自分には卓越した能力があると考え、大なり小なりどんなに心を打ち砕かれるようなことにも、決して屈しないと誓うことである。
(c)否定的な感情に対する自信とは、否定的な感情など、取るに足らないものであり、気に掛けるほどの問題ではないと見なすことである。
(3)特別な喜びの力とは、一切の善行の果報を期待することなく、喜びに満ちた熱意をもって善を実践し、自分が為した善行のすべてを随喜することである。
(4)節度の力とは、すぐに活力を復活させて継続し続けるために、肉体的に疲れたり意気消沈したときには少し休息をとって、障害を消し去るということである。
(5)専心の力とは、念正智を使って、心をかき乱すような感情を征服することに専心し、放棄すべきものに打ち勝つということである。
(6)自制の力とは、不放逸に関する助言を念頭に置き、自己の身口意を制御し続け、戒を完全に遵守することである。
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