要約・ラーマクリシュナの生涯(26)「バーヴァムカにあるラーマクリシュナ」④
◎的確な指示を与える力
ラーマクリシュナがサマーディに入ったとき、彼の『私意識』は完全に消滅し、同時に肉体の心臓の動きなども止まった。あるとき、マヘーンドララール・サルカールをはじめとした複数の医師たちが、サマーディに没入しているラーマクリシュナの肉体を機器を使って調べた結果、心臓が完全に機能を停止していることがわかった。また別の医師はそれでも満足せず、指でラーマクリシュナの眼球に触れてみたが、それは死人のように全く反応を示さなかった。
このようなサマーディに頻繁に没入していたような人物は、非常に希である。しかしそれ以上に信者たちが見た驚くべきことは、常に弟子や信者たちに的確な指示を与える力だった。
「私の子供よ。これこれこのようなことがそのとき起こった。それで私はこれこれこのような方法をとったのだよ。」
ラーマやクリシュナ、チャイタニヤなどがそうだったように、ラーマクリシュナも本来、完全な至高者の化身であるにかかわらず、普通の人間として生まれ、多くの悩みや問題を抱えながらそれを乗り越えていくというフォームをとられた。そしてその方便的に行われた経験に基づいて弟子や信者にアドヴァイスし、弟子や信者はそれを聞くと、大きな希望を抱いて努力するのだった。