要約「アビサマヤーランカーラ」(3)「大乗の行の根本」
4.大乗の行の根本
前述の煖慧・頂慧・忍慧・世間第一法慧、そして見道、修道という合計六つの「証得法」、
それらによって対治法が生じること、
それによって対治すべきものが対治されること、
それら二つに対する分別を滅すること、
輪廻にもニルヴァーナにも住しない智慧と慈悲、
それなるが故に小乗とは異なる法、
化身などによって意のままに三界に住し、救済活動をなすこと、
輪廻が続く限り、無努力・自然にのままに利他の智慧が生ずること
これらのよりどころとなるものが、大乗の種姓なのである。
5 大乗の行の対象
大乗の行の対象は、一切の法である。
それらを区別するならば、以下のようになる。
①供養などの善法
②殺生などの不善法
③善でも不善でもない法
④五蘊などの世間的な法
⑤四念処などの出世間の法
⑥五取蘊などの有漏法
⑦四念処・四正断などの無漏法
⑧三界などの有為法
⑨真如などの無為法
⑩四つのディヤーナなどの、共通の法
⑪如来の10の力などの、特別の法
6 大乗の行の目的
大乗の行の目的は、衆生のために、ブッダの偉大なる心、偉大なる断、偉大なる悟りを得ることである。