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自己チェックに基づいた懺悔と随喜と回向

 シャーンティデーヴァの入菩提行論に、

「朝と夕に三回ずつ、懺悔と随喜と回向を転現せよ」

という一節があります。

 これについては、チベット仏教などでは懺悔や随喜や回向の定型的な瞑想や詞章があるので、朝と夕に三回、それらをやればいいのかな、と思っていました。

 しかし先ほど、インスピレーションがわき、おそらくこの短い言葉が意味するところの真義に気づきました。

 おそらくこれは、いわゆる「自己チェックに基づいた懺悔と随喜と回向」の実質的な瞑想のことを言っているのではないかと思います。

 簡単に説明しましょう。

 朝と夕に三回ずつというのは、いわゆる昼間に三回と夜に三回、つまり一日六回、つまり約4時間に一回ということでしょう。

 4時間に一回、その前の4時間における自分の心・言葉・行為を振り返り、チェックするわけです。
 何をチェックするのか?――自分の身口意の行為の中で、これは善であった、これは悪であった、というチェックです。

 そしてそこで「悪であった」と気づいたことについては、自分の師やブッダを思い浮かべて、懺悔を行ないます。
 懺悔し、それを二度と行なわないということを決意し、またその罪や悪癖に対抗するための修行や功徳が必要ならば、それを行なうことを決意します。

 そして「善であった」と認識したことについては、大いに喜びます。この喜びが、また自分を善に向かわせます。
 そしてその善によって積まれた功徳を、回向します。
 「この功徳によって、すべての衆生が無上の覚醒を得ますように。」
 「この功徳によって、すべての衆生を救うために、私が無上の覚醒を得ますように。」
などと、回向するわけです。

 これを、4時間に一回、行なうのです。
 これは素晴らしい修行になるでしょう。

 最初は4時間に一回ではなく、一日一回でもかまいません。

 しかし徐々に12時間に一回、8時間に一回、6時間に一回と、徐々に増やしていったらいいでしょうね。

 この瞑想は、単純ではありますが、非常に素晴らしい効果があります。

 実は私は以前、この種の瞑想を行ない、自己改革において素晴らしい効果を得た記憶があります。
 しかしそれがいつのことだったのか、思い出せません(笑)。過去世の記憶かもしれませんね笑。

 まあそれはいいとして、今回、このインスピレーションを得たきっかけに、私もこの瞑想をまた毎日やってみようと思います。

 みなさんもぜひお試しください。

 ところで、懺悔について付け加えますが、実は私のヨーガ教室の生徒さんやインストラクターの方で、瞑想だけではなく、定期的に私に直接メールで懺悔をしてくる人がいます。
 実はこれはとてもいいことです。
 心の中で師やブッダや神に懺悔をするのももちろん素晴らしいことですが、もし生きた師がいる方は、その生きた師に定期的に懺悔をするのが良いでしょう。

 その第一の理由は、定期的に懺悔するということを決めていたら、そもそも、懺悔するのが恥ずかしいような悪業は犯せなくなるからです(笑)。

 第二に、実際にそのような恥ずかしいことを師に懺悔することで、師弟の縁が強まるとともに、自己の誠実さが強まるでしょう。

 第三に、そこで恥ずかしい思いをすることで、悪業が浄化されるでしょう。

 さて、もうひとつ付け加えですが、入菩提行論には、この一節に加えて、
「これと、菩提心ならびにブッダへの帰依によって、気づかずに犯した罪が消される」
とあります。

 これは「一日6回」とは書かれていませんが、まあこれも一緒に一日6回やるといいでしょうね。

 具体的には、帰依の修行としては、五体投地、帰依の詞章、帰依の集会樹の瞑想などがいいですね。
 菩提心としては、発菩提心の詞章などもいいですが、ロンチェンパの作品にある、次のような詞章もお勧めです。

「過去において、ブッダとその御子たちが、衆生のために、全智を得るために、菩提心を習得し続けたように、
 わたしも、今日から進んで、衆生の幸福のために、全智を得るために、菩提心を習得し続けよう。
 まだ輪廻の大海を渡っていない人々を、渡らせるお手伝いをさせてください。
 まだ自由でない人々を、自由に導くお手伝いをさせてください。
 まだ安らいでない人々を、安らぎに導くお手伝いをさせてください。
 すべての衆生が、偉大なるニルヴァーナに安住しますように。」

 まとめますと、まずは一日一回、夜寝る前にでも、上記の「自己チェックに基づいた懺悔と随喜と回向」を行なう。
 そして同時に、帰依の修行(五体投地または帰依の詞章や瞑想)と、いずれかの菩提心の詞章を唱える。これらは回数は少なくてもいいと思います。
 それを徐々に、12時間に1回、8時間に1回、と増やしていき、最終的には4時間に一回、行なうようにするとよいでしょう。
 そして懺悔に関しては、師がいる人は、定期的にその師に実際に(メールなどでも)懺悔をするとよいでしょう。

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