yoga school kailas

聖者の生涯『釈迦牟尼如来』(8)

 このようにして仏陀となり、世尊となったったゴータマは、菩提樹の下で、ずっと蓮華座を組んだままで、七日間の間、解脱の楽しみを享受しつつ座っておられました。

 そして七日後、世尊は、サマーディから出て、菩提樹の下から立ち上がり、アジャパーラ樹の下に座り、ずっと蓮華座を組んだままで、七日間の間、解脱の楽しみを享受しつつ座っておられました。
 するとそこへ、一人の傲慢なブラーフマナが、世尊のところへやってきて、世尊にこう問いかけました。
「君、ゴータマよ。一体何によってブラーフマナであるといえるのか?」
 これに対して世尊はこう答えました。

「もしもブラーフマナが、悪業を除き、傲慢でなく、汚れなく、自制し、ヴェーダの極致に達し、清らかな行を実践したならば、その人こそブラーフマナであって、法にかなった清らかな言葉を語るであろう。彼はこの世の何事についても高慢さがない。」

 そして七日後、世尊は、サマーディから出て、アジャパーラ樹の下から立ち上がり、ムチャリンダ樹の下に座り、ずっと蓮華座を組んだままで、七日間の間、解脱の楽しみを享受しつつ座っておられました。
 そのとき、大きな雲が生じ、七日の間、あたりは暗くなり、風が吹き、雨が降り続けました。ナーガ(竜神)の王であるムチャリンダは、鎌首を立てて世尊の頭上を覆い、世尊を雨風から守りました。
 そして七日後、空が晴れ渡ったとき、ムチャリンダ竜王は、一人の人間の青年に姿を変え、世尊の前に現れて、世尊を礼拝しました。世尊はこう言いました。

「満足して教えを聞き、真理を見るならば、孤独は楽しい。
 人々に対して害心無く、全ての衆生に対して自制するのは楽しい。
 世間に対する貪欲を去り、全ての欲望を超越することは楽しい。
 『わたしがいるのだ』という慢心を制することは、実に最上の楽しみである。」

share

  • Twitterにシェアする
  • Facebookにシェアする
  • Lineにシェアする