第三章 菩薩行
第三章 菩薩行
菩薩は、すべての衆生を受け入れ、
すべての苦しみを忍受し、
広大なる衆生の幸福を成就させる。
彼は、他者を自己と平等に見、
あるいは他者を自己よりも愛しいと見る。
そして常に自己の利益よりも他者の利益を求める。
慈悲を本質とする者は、自己に対しては激しい苦痛と苦難を与えるが、
他者に対しては、たとえその者が極悪人であっても、こちらに敵意を持つ者であっても、
苦しみを与えようとは思わない。
煩悩を欲する人々は、大いなる恐怖に赴く。
存在を欲する者は、無常なる楽に赴く。
寂静を欲する者は、苦痛の止滅に赴く。
そして慈悲を本性とする者は、常に一切の悟りに赴く。
迷妄の人々は自己の楽のために精進し、それが得られなければ苦しみを得る。
しかし賢者は常に他者のために精進し、自己と他者の両方の利益を得て、寂静に達する。
菩薩は、すべての存在と世界の超越に至る行と、
最上の寂静に至る行と、
種々の功徳を増大させる行を行ないつつ、
常に慈悲の決意をもって、衆生を守護し続けるのである。
-
前の記事
真理の楔 -
次の記事
仰向けで両足を動かす連続アーサナ