第一章 土台(4)魂を構成する24の要素
(4)魂を構成する24の要素
パラムブラフマの智慧と慈愛の種子の現われが、プルショーッタマである。これは宇宙に偏在する命であり、光であり、すべての創造主である。
このプルショーッタマの光の反映が、プルシャ(魂)である。
アヌ(宇宙原子)は、パラムブラフマが発する智慧と慈愛の光を浴びて、チッタ(心)を形成する。
これにより、自分は他者と分離された一個の存在であるという観念が生ずる。これをアハンカーラ(自我意識、エゴ)という。
このチッタ(心)が真理に近づこうとして進化した状態をブッディ(理性)という。
逆にチッタ(心)が真理から遠ざかり、架空の感覚的世界を作り出そうとする状態をマナス(感覚意識)という。
自我意識を持つチッタ(心)は、五つの根源的エネルギーを放射する。この五つの根源的エネルギーがパラムブラフマに引き寄せられるとき、ブッディ(理性)を形成し、魂の根源体であるコーザル・ボディ(原因体)を形成する。
また、これらの五つの根源的エネルギーは、宇宙を構成する三つの要素であるサットヴァ(善性・光のエネルギー)、タマス(暗性・闇のエネルギー)、ラジャス(動性・動きのエネルギー)の影響を受けて、さまざまな展開を為す。
五つの根源的エネルギーのサットヴァの属性は、五つの感覚器官(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)となり、それらはマナス(感覚意識)の影響を受けて、「感覚器官の体」を構成する。
五つの根源的エネルギーのラジャスの属性は、五つの行為器官(排泄、生殖、言葉、手、足)となり、それらはチッタの中和力によって、「プラーナの体」を構成する。
五つの根源的エネルギーのタマスの属性は、五つの感覚対象(色形・音・香り・味・触れられるもの)となり、それらは行為器官の中和力によって、感覚器官と結合し、欲望を満たす。
これら五つの感覚器官、五つの行為器官、五つの感覚対象、そしてマナス(感覚意識)とブッディ(理性)が、リンガシャリーラまたはスクシュマシャリーラと呼ばれる「精妙な体」を構成する。
五つの感覚対象は互いに結合して、地(固体)・水(液体)・火(熱)・風(気体、生命力)・空という五種類の物質の観念(五大元素)を作り出す。この地・水・火・風・空が、プルシャ(魂)の一番外側の衣である「肉体」を構成する。
五つの感覚器官、五つの感覚対象、五つの行動器官、五大元素、チッタ(心)、ブッディ(理性)、マナス(感覚意識)、アハンカーラ(自我意識)--これら24の要素は、アヴィディヤー(無明)が発展したものに他ならない。
よって、この世の現象のすべては無明から出たものであり、本質的には何の実体も無い幻影であり、唯一の実在である至高者の「リーラ(遊戯)」に過ぎないのである。
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