第一章 土台(3)オーム、カーラ、デーシャ、アヌ
(3)オーム、カーラ、デーシャ、アヌ
パラムブラフマの創造力(シャクティ)の現われは聖音「オーム」であり、これから、
①カーラ(時間)と、
②デーシャ(空間)と、
③アヌ(宇宙原子)が生ずる。
「オーム」の波動こそが、すべての現象世界を作り出しているのである。
つまり「オーム」は、パラムブラフマのシャクティが直接現われたものであり、いわば至高なる唯一の神の現われであり、至高なる唯一の神と同一のものなのである。
この作られた現象世界の根源はアヌ(宇宙原子)である。
このアヌは闇によってできているため、至高者が放つ本質的な光を覆い隠してしまう。
これによってこの宇宙はマーヤーと呼ばれる幻術の闇に覆われたものとなる。
個々の魂においては、このアヌは「無明(アヴィディヤー)」と呼ばれ、智慧の光を覆い隠すため、衆生は皆、自己の本性を理解することができない。
この微細なアヌ(宇宙原子)よりも粗雑なこの肉体に自己意識を没入させている衆生は、このアヌの魔術を見破ることができない。
しかし自己意識をアヌと同等の微細さまで引き上げたとき、衆生はこのアヌの正体を、外的にも内的にも理解するようになり、また、全宇宙の実相を--この現象宇宙も、それを超えた聖なる世界も含めて--すべて理解するようになるのである。
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