本当の性欲と食欲
ヨーガ修行を続けると、生命力が充実し、気道がきれいになってくる結果として、生命力に満ち溢れ、気力が充実し、そして強烈な性欲と食欲が出てくることがあります。
そしてこの性欲と食欲こそ、本当の性欲と食欲なのです。
つまり普通の人が言う、「俺は性欲が強い」とか「私は食欲旺盛です」などというのは、本当の性欲や食欲を感じ、味わっているわけではなく、ほとんどの場合は、単なる情報や経験によって形作られた習性によって、そういう欲が生じているに過ぎないといえるでしょう。
今の日本の社会で、ヨーガ修行などもしない場合、一日三食食べ、オナニーやセックスなどを週に何度も行なった場合、著しい生命力の低下を引き起こすでしょう。
しかし私たちはそれになれすぎてしまっているため、その悪い状態に気づかないといえます。
だからヨーガや仏教では、まず禁欲や小食を勧めるのです。これは道徳的観念ではなく、生命力の蓄積の知恵なのです。
情報や経験から来る単なる習性としての性欲や食欲。これらを抑制し、でもヨーガ修行などを行なわなかった場合は、ストレスが生じてしまうかもしれません。
しかし同時にヨーガ修行などを続けた場合、最初はストレスがあるかもしれませんが、徐々にその習性としての「偽りの性欲と食欲」は消えていくでしょう。そして全身に生命力が満ち溢れてきて、「本当の性欲」と「本当の食欲」が出てくるでしょう。
この状態で、もし本当に愛している人とセックスをしたとしたら、現代人のほとんどの人が感じていない、ものすごい性的エクスタシーを感じることができるでしょう。
また、この状態で食事をしたなら、これも現代人のほとんどが感じてない、ものすごい味覚のエクスタシーを感じることができるでしょう。
また、この状態のとき、ものすごい消化力がつくので、大量の食物を平らげることができるようになります。
また、この状態のとき、体は常に飛ぶように軽く、心身は強いエクスタシーにあふれ、気力は充実して常に肯定的で、目に輝きがあり、頭脳はフル回転で稼動するようになります。また、体が非常に熱く感じるようになるでしょう。そして睡眠時間が極端に減るでしょう。私はこの状態の強いとき、30分から1~2時間の睡眠で十分でした。
そしてこの状態にありながら、さらに禁欲し、食物もとり過ぎないように注意し、より修行を進めたならどうなるでしょうか。
この、「本当の性欲と食欲」が出て、生命力に満ち溢れる段階は、ヨーガの言葉でいうと、水と火のエネルギーの活性化した段階といえるでしょう。しかしその水と火のエネルギーを無駄に使わず、さらにエネルギーアップさせるならば、それが極限に達した段階で、今度は風のエネルギーに変換されます。
この段階で、ある意味、聖者の領域に入ってきたといえるでしょう。この段階で、食欲と性欲は相当減少します。男性の場合、夢精もしません。しかし心身はより生命力に満ち溢れます。しかしそれは以前の熱く燃えるような生命力ではなく、もっと気持ちよくさわやかというか、なんと表現したらいいかわかりませんが、透明感のあるエネルギーに満ち溢れていきます。そして身体の気道は徹底的に浄化されていき、心は広く、深く、安定していきます。そして以前よりも、激しくはないけれども、静かだけど非常に強いエクスタシーに、心身が包まれます。
もちろんこれもまだ、修行の最終地点ではありません。しかし少なくとも非常に幸せな状態といえるでしょう。
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