慈愛と怒り
慈愛とは、自分の中の幸福を他者へ与えること。
ということは、自分がまず幸福でなければならない。
ここで言う幸福とは、物質や概念による幸福ではない。心の豊かさや広さ、純粋さなどがもたらす本質的な幸福のことだ。
怒りとは、自分の中の苦しみを他者に押し付けること。
ということは、怒っている人は苦しみにさいなまれているのだ。
怒りを他者にぶつけることで、一時的には自分の中の苦しみが減ったように感じるかもしれない。
しかし結果的には、苦しみはより増大することになる。
本質的な幸福を得た者が、それを他者に与えたとき、一時的にはその幸福が減ったように感じるかもしれない。
しかし結果的には、幸福はより増大することになる。
だから、怒っている人を非難してはいけない。
彼こそは慈悲の手を差し伸べられなければならない、救われるべき人なのだから。
そして決して怒ってはいけない。
それは自分の心の弱さと、恐怖と、他者への慈悲のなさから生じるものであり、そして結果的により自己の苦しみを増大させるものだと知ろう。
そして自分の心を磨き、幸福を相手に与えるようにするんだ。
最初はそう思うだけでも良い。
みんなに幸福になってほしいと、思うだけでも良い。
結果的にはそれが、自己の心を成熟させ、本質的な幸福を増大させ、
あなたも、あなたの周りの人々をも、幸福にしていくことだろう。