yoga school kailas

修行の全て

 衆生の心の本性は
 真理と智慧と至福に満ちている

 しかしなぜ今我々は
 苦悩と煩悩と無智に覆われているのか?

 それは過去になしたカルマの故だ

 カルマの果報は二つある

 一つは、自己が心・言葉・身体においてなしたことが
 そのまま自己にかえってくるということ

 もう一つは、ヴァーサナー(薫習)と呼ばれるもので、
 自己が心・言葉・身体においてなしたことが
 ちょうど、お香の香りが布に染み付いて取れなくなるように
 固定化した心の傾向、ものの見方、性格、習性を作り出してしまうのだ

 この作られた心の習性には、善と悪の二つがある

 悪の習性は苦しみを生む

 善の習性は条件に応じて喜びをもたらすが、条件が変わるとそれもまた苦しみの因となる

 よって我々がなすべき事は二つ。
 
 薫習を超えた心の本性にたどり着くことと、
 薫習を徹底的に浄化することだ

 薫習の浄化とは、悪の薫習を善の薫習に変える事ではない
 いや、最初の段階ではそれでもいいかもしれないが
 より本質的になさねばならないことは
 薫習をすべて菩提心、四無量心に基づくものに変えてしまうことだ
 自己よりも他者を愛し、
 衆生の幸福を願い、衆生の苦悩を悲しみ、
 自己の苦楽に頓着しない心の習性を作り上げることだ
 
 薫習を超えた心の本性にたどり着くことと、
 薫習をすべて菩提心に変えてしまうこと

 これが修行の全てであり、修行の最後である
 そのための具体的方法は、
 入菩提行論を読み、実践するのが一番良い

 心の本性に到達した者は輪廻を超える
 菩提心を培った者は涅槃を超える
 よってこの者は、どこにも居場所が無い覚者となる

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