yoga school kailas

主シヴァについて

  
主シヴァについて

 シヴァはシャクティー、シヴァは力、シヴァは破壊者、そしてヒンドゥーの神々の中で最も力強い神です。
 主シヴァは、マハーデーヴァ、マハーヨーギー、パシュパティ、ナタラージャ、バイラヴァ、ヴィシュワナート、バヴァ、ボーラーナートといった数多くの名前で知られており、おそらくヒンドゥの神々の中で最も複雑です。ヒンドゥー教徒は他の神々とは違う寺院の祭壇に置くことによって、この神を讃えます。
 シヴァの実際のイメージは独特です。彼の髪は頭頂で高く結い上げられ、そこには三日月が隠され、髪からはガンガーが流れ落ちています。首の周りにはクンダリニーまたは神秘の生命エネルギーを表わす蛇がとぐろを巻いています。左手にはダマル(小さな皮の太鼓)を結びつけた三叉檄を持っています。虎皮に座り、右手には水差しを持っています。彼はルドラークシャの数珠を身につけ、全身には灰を塗りつけています。

破壊的な力

 シヴァは死や破壊に対する責任を負っているため、宇宙の外側へと向かう力の中心にいると信じられていてます。創造神であるブラフマー神とは違い、シヴァは生命における消滅の力なのです。しかし死とは新しい生命に生まれ変わるための中間状態であり、シヴァは創造するために消滅させるのです。よって生と死、創造と破壊という相反するものが彼の特徴の中には存在しているのです。

最も魅力的な神

 また彼は非活動的で落ちついた性質を持つ最高の苦行者としてよく描かれます。ときに彼はナンディと呼ばれる花冠で飾られた雄牛に乗った姿で描かれます。シヴァはとても複雑な神なのですが、ヒンドゥーの神々の中で最も魅了的な神の一人なのです。

常に高みにいる神!

 シヴァは強い破壊力を持つ神と見なされ、その潜在的力を麻痺させるために麻薬を服用しているので、「ボレ・シャンカール(Bhole Shankar、世界に気づいていない者)」とも呼ばれています。したがって、マハー・シヴァラートリーの日、つまりシヴァを礼拝する夜に、献身者たち、特には男たちは、(大麻やアーモンド、牛乳から作られる)タンダイと呼ばれる中毒性のある飲み物を準備し、主を賛美する歌を歌ったり、ドラムのリズムに合わせて踊ったりします。
 マハー・シヴァラートリー、シヴァを礼拝する夜は、パールグナ月の黒月14日の夜に行われます。それは月の出ない2月ごろの夜であり、ヒンドゥー教徒たちは「破壊の主」に特別な祈りを捧げます。シヴァラートリー(サンスクリット語でラートリーは夜を意味します)では、彼は原初的な創造と維持と破壊の踊りを踊ります。その祭りは一日と一夜の間だけ祝われます。

シヴァラートリーの起源

 プラーナによると、サムドラ・マンタン/Samdra Manthanと呼ばれる乳海攪拌のあいだに、大量の毒が大海から生じました。神々や悪魔たちはそれによって全世界が破滅してしまうと恐怖しました。彼らが助けを求めてシヴァのもとへと走っていくと、彼は世界を守るために死に至る危険のある毒を自ら飲んだのですが、飲み込まずに喉のところで止めました。その結果、彼の喉は青くなり、それ以来彼はニーラカンタ(青い首をした者)として知られるようになりました。シヴァラートリーは、シヴァが世界を救ったこの出来事を祝います。

 
シヴァラートリーの果報

 シヴァラートリーは特に女性にとって吉兆だと考えられています。結婚した女性は夫と息子の幸せを祈り、一方結婚していない女性は、カーリーやパールヴァティー、ドゥルガーの伴侶であるシヴァのような理想的な夫を願って祈ります。しかし一般的にはシヴァラートリーのあいだにシヴァの御名を唱える者はだれでも一切の罪から解放されると信じられています。男性も女性もシヴァの住居に辿り着き、生と死のサイクルから解放されるのです。
 

シヴァの儀式

 シヴァラートリーの日には、火の周りに三層になった台が建てられます。最上層の厚い板はスワーローカ(天界)を、真ん中の層はアンタリクシャローカ(空界)を、そして最下層はブフーローカ(地界)を表わしています。11個の飾りつぼ、またはカラシュがスワーローカの層に置かれ、ルドラ・シヴァの11の顕現を象徴しています。これらはシヴァの頭を表わすココナッツの上に置かれたビルワとマンゴーの葉で飾られます。切られていないココナッツの茎は彼のもつれた髪を象徴し、果物の上の3つの点はシヴァの3つの目を表わしています。

リンガの沐浴

 シヴァを表わす男根のシンボルはリンガと呼ばれています。通常それは花崗岩、せっけん石、石英、大理石、または金属でできていて、その下部にはヨーニまたは女陰像があり、男性と女性性器の結合を表わしています。献身者はリンガの周りを歩き回り、夜通しで礼拝します。リンがは3時間おきに、牛乳、酸乳、尿、バター、糞などのパンチャガヴヤと呼ばれる雌牛の5つの神聖な供物とともに沐浴させられます。それから、牛乳やギー、蜂蜜、砂糖などの不老不死の5つの食べ物がリンガの前に捧げられます。ダトゥラーとジャティ、それらは毒のある果物ではありますが、シヴァにとっては神聖なものと信じられていて、それらも彼に捧げられます。

オーム・ナマ・シヴァヤ!

 献身者は一日中厳しい断食を続け、神聖なパンチャクシャラ・マントラ“オーム・ナマ・シヴァヤ”を唱え、寺院の鐘が鳴っているあいだ、主シヴァに花やお香を供養します。彼らは夜中ずっと寝ないで過ごし、日中は物語や賛歌、歌を聴きます。断食は夜中続いた礼拝が終わる翌朝にようやく終わるのです。カシミールでは、このお祭りは15日間行われ、13日目は家族でご馳走を食べたあとに一日断食して祝われます。

share

  • Twitterにシェアする
  • Facebookにシェアする
  • Lineにシェアする