ヴァイラーギャ・マーラー(放棄の花輪)(50)
第十章「頓着しない生活を送りなさい」
48 不安の救済法
人は食物の良し悪しを気に掛けるが、
それは食が満たされているときだ。
人は衣服や財産を気に掛けるが、
それは衣服や金銭を持っているときだ。
人はその身の咳を気に掛ける。
咳や熱は苦痛を与えるので、
「これは結核だろうか、それとも肺炎だろうか?」と心配する。
健康なときですら、
人は自分の妻や子どものことで気を煩う――
五番目の娘が妊娠している。
四番目の息子が医学士の試験を受けている。
すべてが申し分のないときでさえ、
人は自分の仕事のことで気を病む。
仕事が繁盛しているときでさえ
人は心配になる。
「あの人は私を中傷するだろう。
この人は私から略奪し、爆弾を投げつけるだろう。
私はコレラか腸チフスで死ぬかもしれない」と。
おお、無智な人間よ! あなたの心を神に向けなさい。
神の御名を繰り返し、彼の栄光を賛美し、瞑想しなさい。
そうすれば、全ての不安はなくなり、
あなたは永遠の至福を享受するだろう!