ラームチャンドラ・ダッタの生涯(8)
師は素晴らしいユーモアのセンスをお持ちであられ、ときには冗談やからかいをとおして深刻な状況を和らげ、信者達の間の不和を取り除きなさった。
ある機会に、師の面前で、ラームは師の卓越性を証明しようとしていた。ラームが必死になって師を称賛しつつブラフモーの信者達を非難していると、師は彼に仰った。
「さて、なぜわたしが腕を怪我したのか教えておくれ。それを説明しておくれ。」
皆が笑った。
別の折(一八八四年九月二八日)に、師はラームの家で、深い霊的状態に入りつつ、信者達に語っておられた。しかしラームはその場にいなかった。彼は屋上で、信者達に供する食事の準備に追われていたからである。ようやく階下に降りてくると、師はラームに尋ねられた。
「どこにいたんだい?」
「屋上におりました、師よ。」
「高い所にいるよりも低い所にいる方が良くないかね? 水は低い土地には集まるが、高い丘からは流れ落ちるのだよ。」
師は彼に、謙虚さの大切さを思い起こさせたのだった。
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