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モトゥルナート・ビスワスの生涯(3)

 一八六一年、ラーニー・ラースマニが亡くなった直後、女性のタントラの師であるバイラヴィー・ブラフマニーがドッキネッショルにやってきた。彼女はいち早くシュリー・ラーマクリシュナの霊的な状態を見抜き、彼はアヴァターラ(至高者の化身)であると断言した。モトゥルは異議を唱え、十のアヴァターラより他にアヴァターラは存在するはずがないと書かれている聖典を引用した。しかしブラフマニーは、バーガヴァタは二十四のアヴァターラについて言及しており、他の無数のアヴァターラが存在する余地も残されていると答えた。彼女は聖典によく精通していたので、モトゥルはそれ以上の異議を唱えることができなかった。バイラヴィー・ブラフマニーは、シュリー・ラーマクリシュナがアヴァターラであるという見解を確証するために、学者たちを集めて討論会を開催するようにモトゥルに頼んだ。信と疑念の板挟みにあって、モトゥルはすっかり困惑した。しかしながらモトゥルはこの問題を解決し、自身の好奇心を満たすために、学者を招待することに同意した。
 ヴァイシュナヴァチャランとパンディット・ガウリーを討論会に招待することが決定された。ヴァイシュナヴァチャランは有名な宗教的リーダーで、ヴィシュヌ派の学者だった。ガウリーはタントラの学者で、すぐれた神秘的な能力を有する人物だった。ガウリーはすぐにドッキネッショルに来ることができなかったので、ブラフマニーはます初めに、ヴァイシュナヴァチャランと数人の学者に自身の主張を提示した。彼女は念入りに師の霊的体験を説明し、それから聖典を引用して、師の経験と他の悟りを得た魂の経験を比較することで、彼らに師の霊的経験を実証した。ヴァイシュナヴァチャランはブラフマニーのすべての結論に心から同意し、そのうえ、自身の理解から、マハーバーヴァ(最高位の信仰心)がシュリー・ラーマクリシュナの内に完全に現われていると宣言した。この判決はブラフマニーを喜びで満たし、人々の間に大反響を引き起こした。モトゥルはあぜんとし、シュリー・ラーマクリシュナは口をつぐんだ。子供のように彼はモトゥルにおっしゃった。

「彼が本当にそう考えるなんて! まあとにかく、病気じゃなくてわたしは嬉しいよ。」

 数日後、パンディット・ガウリーが前触れもなしにドッキネッショルにやってきて、カーリー寺院に入り、大声でマントラを繰り返した。これは彼を議論において無敵にした、神秘的な力の一つであった。しかしシュリー・ラーマクリシュナはこの能力のことを知らずに、ガウリーより大きな声でマントラを唱え始められた。お互い相手より大声で二、三回やりとりしたあと、シュリー・ラーマクリシュナは叫びあいの勝負に勝利なさり、ガウリーの神秘的な力をご自分のものになさった。ガウリーはそのとき、シュリー・ラーマクリシュナの偉大さに気付いた。
 のちにヴァイシュナヴァチャランが師は神の化身であると宣言したということを聞いたとき、彼はこう言った。

「それは控えめな表現だと思います! わたしはあなたが、アヴァターラたちがこの世に現われて使命を成し遂げる際に用いる力の本源である御方だと信じています。」

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