マハープルシャ・シヴァーナンダの生涯(長編)(6)
しばらく経った頃、ターラクは、誰にも邪魔されずに自身の霊性の探求にエネルギーを注げそうな場所が必要だと、切実に感じ始めていた。
ある日シュリー・ラーマクリシュナが彼に、ドッキネッショルに来てしばらく一緒に暮らさないかと尋ねたときの彼の喜びは、当然ながら天井知らずだった。
彼はこの招待を神からの贈り物だと理解して、すぐにドッキネッショルに移り住んだ。
これは1882年の暮れのことであり、そのときの彼の滞在は短いものだったが、可能な限り師のそばで師に仕え、師から学ぶことで、この滞在を最大限に活かしきったのだった。
ドッキネッショルでシュリー・ラーマクリシュナと共に過ごすことができたことを、ターラクはかつてこのように語った。
「われわれは、なんて幸運なんだろう! われわれは師に奉仕することができたし、師から本当に沢山の愛と好意を授かった! 彼のわれわれへの情熱と愛は無限だ!」
彼はさらにこう語った。
「あの頃は皆、師のお部屋の床で寝たものだった。寝る時間になると、師がわれわれに、どういうふうに横になるかを指示なさるんだよ。師は、われわれが背を床にまっすぐ着けて横になり、心に母なる神を思い描きながら眠りに落ちたら、神聖な夢を見るはずだ、とおっしゃった。師はわれわれに、眠りに着くときには神聖なことを考えるようにとおっしゃったよ。」
夜は修行に最も適していたので、シュリー・ラーマクリシュナはターラクや他の信者達に、夜を最も役に立つことに費やすようおっしゃった。
師は、彼らをほんの少し休ませると、彼らを眠りから起こして、庭のさまざまな場所に彼らを送り出して、何時間も瞑想させた。
そして夜明け間近になると、彼らは少し休むために庭から戻って来るのだった。
疑念と気だるさに襲われた時、ターラクは師に助言を請いに行くことにしていた。すると師が、緩んだ魂に活気を与えて下さるのだった。
疑念は確信に場を譲って消散し、結果として偉大な霊的熱意と、言葉では言い表せないような安らぎが生じるのだ。
師の霊性の力について、ターラクはかつてこう述べた。
「聖ラーマクリシュナは、霊性を他の者に分け与える能力をお持ちだった。彼は人の意識のレベルを高めることもおできになった。彼はそれを、思考と意思の力に触れることで行なわれたのだ。
スワミ・ヴィヴェーカナンダはわたしたちと同様に、師を頻繁に訪ねたものだった。
彼の恩寵によって、われわれは皆、われわれ個々の能力に応じて、より高いレベルの智慧へと上昇する機会を与えられた。
わたし自身も、師の生前、師の一触れと思念によって、三度サマーディを経験する幸運に授かった。
わたしは今日も、彼の偉大な霊性の力を証明するために生きている。
それは妄想でも夢でもなかった、なぜならこれらの経験は、われわれの性格に、独特な、永続する変化をもたらしたからだ。」