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マハープルシャ・シヴァーナンダの生涯(長編)(1)

 ラーマクリシュナ・パラマハンサの直弟子の一人であるスワミ・シヴァーナンダの生涯の物語については以前ご紹介しましたが、より詳細に記された長編の生涯の物語を改めてアップします。

第一章「マハープルシャ・スワミ・シヴァーナンダ――彼の経歴・人柄・若年期」

 マハープルシャ・スワミ・シヴァーナンダの人生は、主に二つの部分から成り立っていると言えるだろう。それぞれが等しく興味深く重要なものでもある。
 まず第一に、われわれは彼を、黙考と瞑想に没頭して、霊的成長と智慧を磨き、霊的領域に至宝を蓄積する真理の求道者であり、最高なるものを渇仰する修行者として、また第二に、師の足跡に従って、衆生の霊性の覚醒のための奉仕に明け暮れ、彼が得た全てを衆生の心の平安と幸せのために与えた、人々の教師として見ることができる。

 彼はインドのベンガル州バラサットという町の有力なブラーフマナの家系の出身である。正確な出生年月日は知られていない。真の修行者がするように、彼は彼の出生時のホロスコープをガンガーに流してしまったからだ。
 彼は恐らくは1850年代、インド暦でいうアグラハヤーナ月の11日目(11月~12月)に誕生した。
 出家前の彼の名は、ターラクナート・ゴーシャルであった。

 スワミの父ラーム・カナイ・ゴーシャルは、実入りの良い敏腕弁護士だった。非常に気前がよく、相当額を聖者への布施と貧しい学生の面倒を見るために費やしていた。バラサットの彼の家は、飢えと渇きに苦しむ少年達の数だけの寝床と食事を供給していた。今日に至るまで、バラサットの人々はラーム・カナイと彼の寛容さを褒め称えている。
 世俗的な成功と繁栄のさなかにおいても、彼が神を忘れることはなかった。彼は真面目で、霊的渇仰心を持ち、熱心にシャークタ・タントラを実践していた。

 スワミの母ヴァーマスンダリー・デーヴィーは、自らを無私の奉仕に捧げた高貴で敬虔な女性であった。
 最初の息子の早すぎる死に心を痛め、ヴァーマスンダリーはカルカッタ近くのターラケーシュワルにある有名なシヴァ寺院を訪れ、そこで激しい苦行と献身に身を捧げた。その後しばらくしてスワミが誕生し、彼の両親は彼が母の祈りに対する神の答えとして生まれたのだと信じて疑わなかった。
 彼は、ターラケーシュワルのシヴァ神にちなんで、ターラクナート、略してターラクと名付けられた。

 ターラクは両親から最高の世話と愛情を受けた。気高く誠実で勇敢かつ率直であり、子供の頃からきわめて際立っていた。有能であったが、学校では年少者の勉強の面倒をよく見て、霊性に対するはっきりとした嗜好性を示した。
 彼の友人や年長者たちは、彼の妙な雰囲気の理由が分からず、当惑させられた。彼の独特な人柄は、彼らに深い印象を与えた。
 例えば、彼が初期の教育を受けたバラサット校の校長は、昔を思い出しながらこう語った。

「ターラクの人柄の深さと純粋さに、われわれは皆魅了され、感動したものだよ。」

 青年期に掛かるにつれて、ターラクの霊的渇仰心は百倍に増し、それはまるで彼の心が神を悟りたいという熱望で一杯になってしまったかのようだった。
 彼は高等教育を受けるためにカルカッタに行き、その当時の多くの若きベンガル人求道者たちがしたように、ブラフモー・サマージ協会に足繁く通うようになり、やがて正規の会員となったのだ。
 彼は、神を悟り、人生において最も高貴な霊性の理想を体現している師を捜し求めていたのだった。

 彼の父の収入が減ってしまうと、ターラクは家族を経済的に支えるために、やむを得ず学校を退学し仕事に就いた。
 彼はデリーに行き、そこで仕事を得た。この町で、彼は神聖な事柄に非常な関心を示す一人の友人に出遭い、彼らは会う度に、信仰について何時間も語り合った。
 ある日、ターラクはこの友人に、「神との合一における超越的忘我の境地であるサマーディについて何か知っているか?」と尋ねた。
 友人は、そのサマーディは大変稀な現象であり、限られた者が神から賜るものであることを述べた上で、ドッキネッショルのラーマクリシュナという、この境地を会得した人を知っていると答えた。
 ターラクはシュリー・ラーマクリシュナという名にとても魅了され、彼がこの師に会うであろう日のことを熱心に心待ちにした。
 この会話から間もない頃、ターラクはマッケンジー商会のマッキノン事務所で職を得たために、カルカッタに戻った。
 彼はまだそのときはブラフモー・サマージ協会に属しており、定期的に会合に通っていた。そこで偶然、彼はラーマクリシュナの在家弟子であるラームチャンドラ・ダッタの親戚である友人に会った。この友人がターラクに、師がどのように放棄・帰依・悟りを奨励しているかを、詳細に渡って語ったのだった。
 ターラクは、もしシュリー・ラーマクリシュナに会うことさえできれば、霊性の師に出会いたいという渇仰は満たされ、魂の深みに突っ込み、神と面と向かい合う方法を教えてもらえるであろうと思ったのであった。

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