パドマサンバヴァの秘密の教え(7)「心の平静」
◎心の平静
師パドマはこうおっしゃった。
「無始の過去から非常に多くの転生をしてきたにも関わらず、未だ自と他の幸福を成し遂げていない。
今度こそは、この身体で、自と他の真の利益を成し遂げるのだ。
あなたは過去において何度も何度も転生してきたが、ダルマの修行をする機会がなく、輪廻の存在の牢獄へと深く深く落ちてきただけであった。
ダルマに出会ったこのはかない人生において、大乗の教えを修行することに努めなさい。
善を増大させる人々と付き合いなさい。
悪を増大させる人々を放棄しなさい。
犬や餓鬼のように絶え間なくものを切望するのではなく、治療薬を使うことによって、心を穏やかで平静にしなさい。
絶え間ない切望感によって自分自身を疲弊させるならば、悪行をそなえた自身の心をかき立て、それによって他者の心をもかき立て、悪業を積むことになるであろう。
苦しい状況において不快感をわずかでさえ考えるならば、それはより一層苦痛になるであろう。
もし心を穏やかで平静にさせなければ、幸福は見つけられないだろう。
過去の苦しみを追ってはいけない。
善い悪いにかかわらず、それらはすべて過去であり、過ぎ去ったものである。
未来の苦しみを予期してはないけない。
今、いかなる苦しみがあなたに起こったとしても、それに屈服せず、何度も何度も勇気を深めていくのだ。
心に対する正しい治療薬を使わなければ、苦しみは終わらない。
修正せず、損なわせず、その本質的な境地にあなたの心を安らがせ、心を善なるものへと徐々に変えていくのだ。」
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