パドマサンバヴァの秘密の教え(48)「六つの堕落」
◎六つの堕落
師パドマはこう仰った。
「ダルマを修習しているとき、六つの堕落がある。」
ツォギャルは尋ねた。
「その六つの堕落とは何なのでしょうか?」
師はこうお説きになった。
「一.知性は高いが信が少ないなら、まだ未熟であるにかかわらず自分を師と考え、堕落する。
二.強い自己愛を持ちながら多くの友人を持っているなら、自分を素晴らしき友であると考え、堕落する。
三.ダルマを心に根付かせていないのに、自分は優れた資質を持っていると思い込むとすれば、自分をリーダーと見なし、堕落する。
四.自らは修習していない深遠な教えを他者に授けるなら、「偽の聖者」となり、堕落する。
五.もし心にダルマが欠けていて、意味の無い無駄口を好むなら、「渇愛の多い偽ヨーギー」となり、堕落する。
六.深遠な口頭の教えをグルからほとんど学んでいないとしたら、信仰心が強かったとしても、凡夫となって堕落する。
真の教えに従って行動する本当の修行者は、
智慧をもって自らの存在を解放し、
信をもって自らの心を調御し、
教えを聞くことによって間違った概念を捨断し、
社会的な関心事を捨てて心をダルマに溶け込ませ、
教学と思索によって智慧を完全なものにし、
口頭の教えによって心を解明し、
見解と瞑想を通して最終的な確信を得るべきである。
しかしそれは難しいのだ。」