パドマサンバヴァの秘密の教え(34)「十悪の捨断」
ツォギャル師にこう尋ねた。
「これらの行いを捨てたときには、どのような結果が得られるのでしょうか?」
師はこのようにお説きになった。
「それが成就した果報は、神や人間の世界に生まれるだろう。ブラフマ神のようにあなたの声は美しく、インドラ神のように身体は他の人のよりも美しくなるだろう。そして全世界の王者のように、多くの富を持つだろう。
あなたは多くの学問を修め、大変な知性を備え、仏陀の法に出会うだろう。究極的には三つのレベルの悟りを得るだろう。
そして未来の生においても、十悪を捨てることに努力するだろう。」
ツォギャルは師にこう尋ねた。
「これらの十悪に関して、様々な条件によって悪の深刻さの違いがありますか?」
師はこうお説きになった。
「その通りだ。違いがある。
まず、感情に関しての分類がある。
1.怒りから出た十悪を犯すことにより、あなたは地獄の住人に生まれるだろう。
2.愛著から出た悪業によって、あなたは餓鬼に生まれるだろう。
3.迷妄から出た悪業によって、あなたは動物に生まれるだろう。
対象に関する深刻さにおいても違いがある。
1.優れた対象に向けて十悪を犯した場合は、地獄に生まれるだろう。
2.普通の対象に向けてそれらを犯した場合は、餓鬼に生まれるだろう。
3.劣ったものに向けてそれらを犯した場合は、動物に生まれるだろう。
とりわけ様々な種類の殺生の中でも、最も深刻な悪業の成就は、ボーディチッタを発達させていた菩薩の生命を奪うことである。
与えられていないものを盗るという様々な種類の行為の中で最も大きな過ちは、三宝に所属するものを盗むことである。
性的に間違った様々な種類の行為の中で最も大きな過ちは、解脱者に性行為を強要することである。
嘘をつく様々な種類の行為の中で最も大きな過ちは、師や、サンガの尊敬すべきメンバーを欺くことである。
無意味な話をする様々な行為の中で最も大きな過ちは、サンガに分裂を起こさせることである。
乱暴な言葉を言う様々な行為の中で最も大きな過ちは、サンガのメンバーに対して不快な言葉を発することである。
無駄話をする様々な行為の中で最も大きな過ちは、出家修行者や非二元の本質を瞑想修行している者の心を乱す行為である。
様々な愛著の中で最も大きな過ちは、三宝に布施された財宝を欲することである。
様々な邪悪な意図の中で最も大きな過ちは、五逆の罪を犯す計画を立てることである。
様々な誤った見解の中で最も大きな過ちは、究極の意味の真理を非難することである。
ツォギャルよ、あなたはこれらの行為を、あなたの命にかけても犯してはならないのだ。
また、十悪を以下のように分けることもできる。
1.殺生、不和を生じさせる話、乱暴な言葉、邪悪な意図により、地獄に生まれるだろう。
2.性的に間違った行為をなすこと、与えられてないものを盗ること、貪欲さによって、あなたは餓鬼に生まれるだろう。
3.嘘をつくこと、無駄話、誤った見解を持つことによってあなたは動物に生まれるだろう。
-
前の記事
大きな試練をいただくために -
次の記事
パドマサンバヴァの秘密の教え(35)「十善」