パドマサンバヴァの秘密の教え(124)「成就から外れること」
◎成就から外れること
四つ目の主題として、成就から外れることには、二つの点がある。一時的なものと、究極的なものである。
一時的なものは、口頭による教えを修習した後、あなたが当たり前の結果を最高のものと見なし、それを誇りに思い、慢心に陥る。
それは究極的な成就を阻むので、誤った状態へ外れることと呼ばれる。
究極のものは、あなたが成就を得たにも関わらず、期待と恐怖を解消し損ねることである。
そうなると、結果は原因であることへと外れていく。
ツォギャルよ、このようなかたちで誤った状態に外れることを避けたいなら、期待と恐怖には基盤がないことを理解しなさい!
◎悟りの後も続けるべき努力
ツォギャルは再び尋ねた。
「実在を悟るというこの重要な点を理解した後も、努力して仏性を発動させる必要があるのですか?」
師はお答えになった。
「より偉大な達成手段と秘密のマントラは、実に、仏性を発動させる特別な資質によって卓越している。
しかしながら、あなたが一日の四つのパートの間、死と無常、カルマの法則、輪廻界の存在の欠陥を念頭においておかなければ、今生での出来事はあっという間に過ぎ去ってしまう。
あなたは自分の事を大乗の信奉者だと言うかもしれないが、あなたが継続的に衆生への慈愛と慈悲を学び続けない限り、あなたは小乗へと外れてしまう。
あなたは高い悟りを得ているかもしれないが、あなたがあらゆる瞬間瞬間に因果の解釈を正しく行い、物事を受け入れることと拒絶することを行わなければ、あなたはさらなる多くの苦難を伴った状況に遭遇するだろう。
ツォギャルよ、あなたが正当なやり方でダルマを修習したいなら、悟りの境地とともに、私が今ここで言及したことを保ちなさい。」
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