パドマサンバヴァの秘密の教え(104)「菩提心を維持しなさい」
◎菩提心を維持しなさい
「劣ったカルマを持つ者は、現世での成功や虚栄心を求め、カルマの法則について全く考えずに行動する。
将来の苦難は、将来の楽よりも遥かに長期間に渡って続くであろう。
三悪趣の者たちに対して、母のような慈愛と慈悲の心を持ちなさい。
常に覚醒した心の状態、菩提心を維持しなさい。
十悪を捨てなさい。そして十善を選びなさい。
如何なる衆生をもあなたの敵と見なしてはならない。それはただあなたの心の妄想に過ぎない。
嘘やペテンによって食物を得てはならない。この人生でお腹は満たされても、来世において重い重石になる。
商売に関わって利益を生んではならない。
一般的にそれらは、あなたにとっても他者にとっても邪魔になる。
富は瞑想とダルマの修習の敵なので、重要視してはならない。
食べ物のことばかり考えているのは注意散漫の因である。あなた自身を保つために、瞑想の準備を十分に行ないなさい。
人の多い場所や、愛著と嫌悪を増大させる場所に住んではならない。
あなたが閑寂な地に独居するならば、あなたの心もまた静寂となる。
くだらない噂話は止めて、言葉を減らしなさい。
あなたが他者の気持ちを傷つけたなら、双方に負のカルマを積むことになる。
一般的に、すべての衆生は例外無しにあなたの母であったことがあるので、彼らに愛著や敵対心を持ってはならない。
平穏な心を保ちなさい。
怒りやきつい言葉を止めなさい。代わりに笑顔で話しなさい。
あなたの両親の親切は、たとえあなたの命を犠牲にしたとしても報いることはできないのだから、心と言葉と行動において、彼らに敬意を払いなさい。
善と悪は、認識される客体と仲間から生じるので、悪人と付き合ってはならない。
怒りと欲を増大させるので、あなたに対して敵対心を抱く人々がいる所に留まってはならない。それはあなたや他者の心を乱す感情を増大させるだけである。
あなたのダルマの修習が自動的に進むところにいなさい。
極端な愛著と嫌悪を引き起こす場所に留まることは、気が散るだけである。
あなたのダルマの修習が習熟へ向かう所に留まりなさい。
もしあなたが慢心に陥ったなら、あなたの善は減少するので、尊大さや傲慢さは捨てなさい。
もしあなたが失望して挫けたら、自らを慰め、自身の助言者となりなさい。そして再度、道に戻りなさい。」
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