yoga school kailas

パトゥル・リンポチェの生涯と教え(90)

◎パトゥルが柳の庵で教えを説く

 柳の庵(チャンマ・リトー)は、ザ川の上のまばらな森林に覆われた山の傾斜の上にあった。樹木のない高地の物凄く広い高原に面していた。パトゥルがいた頃は、そこには常設された庵はなく、それどころかしっかりした家は一軒も建っておらず、小屋さえも存在していなかった。パトゥルとその弟子たちは、まさにカム地方の遊牧民のように、テントを張って野営して生活していた。師と弟子たちは、一、二人用の黒いヤクの毛のテントと白い木綿のテントに何人かずつ住んだ。
 冬の前になると、氷のように冷たい荒々しい風を防ぐ壁として、皆でテントの周りに小さな土壁を作ったものだった。テントの下を掘って、冷たい地面からの冷気を断熱してくれる効果を持つ小さなペレット状の羊の糞をそこに埋めた。その羊の糞の層の上に、死産したヤクの毛皮で作った絨毯を広げて、師と弟子たちはその上に座りながら、一日中、教えを聞いたり、修行をしたりして過ごしたのだった。

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