パトゥル・リンポチェの生涯と教え(115)
◎あるヨーギーとの出会い
アン・テンダルという名のヨーギー――彼はただの行者ではなく、本当に悟っていた――がパトゥルを訪ねてきた。
「どこから来たのかね?」
パトゥルは彼に聞いた。
「わたしはナンチェンのツォクニの弟子です。」
「そうかい、そうかい。ナンチェンのツォクニは聞いたことがある! ゾクチェンの見解を悟っている方だな。その方は、ミラレーパの話に出てきたこんな感じの教えが好きじゃなかったか?
『朝に実践すれば、あなたは朝にブッダとなる。夜に実践すれば、あなたは夜にブッダとなる――過去の行為によって然るべき縁をつくった幸運な者たちは、瞑想する必要さえない。彼らは教えを聞くだけで解脱してしまうだろう!』
おまえさんの師匠がそういう人なら、教えてほしい。彼の弟子の何人が虹の身体を得た?」
こう言ってパトゥルはからかった。
「虹の身体に”達したであろう”弟子は一人だけです。」
テンダルは答えた。
「もし彼が、ひどい感染症のおできでポックリ死んでいなければの話ですけどね!」
さて、病によって上級の修行者が虹の身体を得られないというのは、あり得ないことである。だからその瞬間、パトゥルは驚きのあまり言葉を失ってしまった。
それから二人は大笑いした。
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