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バララーム・ボースの生涯(2)

 彼はその晩、家に戻りましたが、また次の朝、歩いてドッキネッショルまで戻ってきました。このとき、シュリ―・ラーマクリシュナは部屋に一人でおられました。バララームを見ると、師はこう仰いました。

「おお、来たね! 非常によろしい。さあ、お座り。少しばかりお休み。
 私はちょうどお前のことを考えていたのだよ。どこに住んでいるのかね?」

「バグバザルでございます。」

と、バララーマは答えました。師はそれから、家族の構成や子供たちのことなどを訪ね、最後にこう仰いました。

「ここをごらん。聖なる母が、お前は私そのものであるとお話しになったのだよ。お前は彼女の供給者の一人なのだ。多くのものがお前の家の中に、これ(ラーマクリシュナ)のために蓄えられている。何かを買って、それをここに送りなさい。」

 バララームは、これは幸運なことだと考え、喜んでそれに従いました。
 シュリ―・ラーマクリシュナはしばしば信者たちに、寺院やサードゥを訪ねるときには、小さな贈り物を持ってくるように助言されました。

 バララームには、師が自分自身の身内であるように見えていました。また彼はそれまでの人生の中で、このように卓越した人を見たことがありませんでした。

 彼は、シュリー・チャイタニヤの人生とシュリー・ラーマクリシュナの生涯には類似点があることに気づき、不思議に思い始めました。あのように魅力的な性質を持ち、何度もバーヴァ・サマーディ(神聖なる恍惚)にお入りになる人は、他の普通の人間の中には見いだせなかったのでした。

「もしかして、シュリ―・チャイタニヤが再び降誕されたのだろうか?」

 心中にこのように考えながら、バララームはカルカッタに帰り、いくからの食べ物と物品を、師のために選びました。それから彼はドッキネッショルに馬車で戻りました。シュリ―・ラーマクリシュナは彼を温かく迎え、甥のフリダイにそれらの贈り物をしまうようにお頼みになられました。
 このときから死ぬまで、バララームは、米、シュガーキャンディー、穀粉、サゴ、大麦、バーミセリ、タピオカなどの食べ物を師に供養し続けたのでした。

 師はよくこう仰っていました。

「バララームの食物は非常に純粋だ。先祖代々、彼の家系の人々はバクタであり、サードゥや乞食を手厚くもてなしていた。彼の父は隠退生活をヴリンダーヴァンで送り、そこで主に呼びかけながら時を過ごした。
 私はバララームの食物をただ受け取るばかりではなく、それに喜びを感じるのだよ。」

「彼の家系のすべての人々は、同じ理想に合わせて生きていた。
 主人や女主人から子供たちに至るまで、皆が神に信仰を捧げていたのだ。彼らは決して祈りを唱えないでは、水の一滴をとることもなかった。
 そして、彼らは敬虔であるのと同じように慈悲深かった。」

 言うまでもなく、シュリ―・ラーマクリシュナは常々バララームの家から歓迎を受けておられました。師はなんと百回も彼の家を訪れました。バララームはその記録を取っていたのです。
 師はバララームの家で一泊する必要があるときにはいつでも、その家で毎日礼拝されている家系の神ジャガンナートのプラサードを召し上がられました。
 師はときどき冗談で、ドッキネッショルを『マザー・カーリーの砦』と、そしてバララームの家は『カルカッタの砦』、またあるときは、『居間』と呼んでおられました。

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