バクティヨーガの修行の九つのムード 1.シュラヴァナ
バクティヨーガの修行の九つのムード
献身者は、自分に合った修行法でバクティを修行することができる。そしてそれを通して彼は神の光輝を成就する。
1.シュラヴァナ
シュラヴァナとは、至高者のリーラーを聞くことである。それには、至高者の御名および姿と結びついた、美点、栄光、遊戯、物語などが含まれる。
献身者は、神の物語を聞くことに夢中になり、彼の心は神の教えと一つになり、神以外のことについて考えることができなくなる。つまり彼の心は、この世間に対して一切の魅力を感じなくなるのだ。
そしてその献身者は、夢の中でさえも、ただ神だけが心に浮かぶようになる。
シュリー・シャンカラーチャーリヤは、こう言っている。
「賢者との交際は、それがたとえわずかなものであっても、輪廻の海を渡る船となる。」
サットサンガ(グルや法友たちと共に集い、教えを学ぶこと)がないと、修行は、完璧さや強さが欠けたものになってしまう。ゆえに、サットサンガの土台の上に、修行の砦を建設しなければならない。単に苦行をすることだけが修行(サーダナー)ではないのである。
サットサンガは献身者の中の輝きを増すと共に、不純物を除去する。そして彼は、微妙な真理のエッセンスをよくつかむことができる。
クリシュナはウッダヴァに、「サットサンガだけが、世界のすべての執着に終止符を打つことができるのだ」とおっしゃっている。
また「バーガヴァタ・マハートミャ」には、「この世界における最高のダルマは、至高者の栄光を聞くことである」と説かれている。それによって人は、神の世界に達するのである。