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バクティの精髄(11)

◎4種類のバクタ

 神のバクタには4つのタイプがある。――アルタ、ジジュニャース、アルタルティ、ジュニャーニである。
 アルタとは、非常に苦しんでおり、苦しみから解放されるために神の恩寵を切望する、苦しみ多きバクタのことである。
 ジジュニャースとは、自分は無智だと感じており、叡智を探求している者である。彼は智慧を得るために神の恩寵を求める。
 アルタルティとは、富を求めている者であり、幸せな人生を楽しむために、世俗的な財産、富、土地などを切望し、財を築くために神の恩寵を得ようと、神を懐柔する。
 ジュニャーニとは、真我に満足し、真我への渇望以外の欲望を一切持たず、自分自身をすべてに遍在する神であると見なしている賢者、聖者である。

 苦しみ多き者(アルタ)とは、慢性的な不治の病に苦しみ、地震、火山の噴火、雷、強盗団や軍隊や虎の襲撃などゆえに生活が危機にさらさている者たちである。ドラウパディーやガジェーンドラが、アルタ・バクタの例である。ドゥッシャーサナがカウラヴァの宮廷の前にドラウパディーを引きずって行き、彼女のサリーを引っ張ったとき、彼女は自分の尊厳を守るために、クリシュナを強く求めた。ガジェーンドラは、ワニに水の中に引きずり込まれそうになったときにナーラーヤナを求めた。

 ジジュニャースは探求者である。彼はこの世界に飽き足りない。彼の人生は空虚で、彼は常に、感覚的な喜びは幸福の最高のかたちではなく、悲苦が混在していない純粋な永遠なる至福が心の内にあるはずだ、と思っている。ウッダヴァはジジュニャースであった。彼はこの世界に飽き足りず、シュリー・クリシュナから智慧を授かった。これはバーガヴァタに記されている。

 富を追い求める者(アルタルティ)は、金、妻、子供、所有物、名声、名誉を渇望している。スグリーヴァやドゥルヴァは、アルタルティ・バクタであった。スグリーヴァは、ヴァーリンを撃退して王国を得たいと思っていた。ヴィビーシャナも、ラーヴァナを滅ぼしてランカーを手に入れたいと思っていた。ドゥルヴァは、継母に悩まされずに虐待されない王国を求めた。

 ジュニャーニとは、真我の悟りに達した智慧者である。シュカ・マハーリシはジュニャーニ・バクタであった。彼は最高の類のブラフマー・ジュニャーニであった。彼は、すべてが真我であると悟っていた。彼は、パリークシットにシュリーマド・バーガヴァタを説いた。

 ヴァイラ・バクタという、また別の種類のバクタもいる。彼らは否定的なバクタである。彼らは神に対して肯定的な信仰心をもっていない。彼らは神を嫌うがゆえに、常に神のことを思っている。嫌悪もまた、敵を常に心に念じさせる。ゆえに、彼らもまた、一種のバクタのようなものなのである。彼らは、ヴァイラ・バクティによって解脱を得る。カンサ、シシュパーラなどは、主を深く恨んでいたために、主のことを常に心に念じていた。ゆえに彼らは解脱を得たのだ。
 

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