yoga school kailas

ニティヤーナンダの生涯(6)

◎シュリーヴァスの家で

 マハープラブは、ニティヤーナンダをシュリーヴァスの家に連れていきました。
 そしてその翌日は、ヴィヤーサ・プージャ(アーチャーリヤを崇める儀式)の日でした。
 ゆえに、夜にアディヴァサ・キールタン(祭典の前座的な儀式)が執り行われました。
 ニタイとゴウラは、そのキールタンの中で踊り、信者たちが彼らの周りで踊りました。
 ニタイとゴウラは、お互いへの愛に狂気し、信者はその二人への愛に狂いました。
 皆が夢中になって没頭し、愛の涙を流したのでした。
 ある者はバーヴァを制御できなくなって地面を転げまわり、ある者は叫び、またある者は意識を失って、地面に倒れました。
 ニタイとゴウラは、外界の意識を完全に失って、愛に酔いしれ、それに陶酔しながら踊りました。
 まるで地震の時のように、大地が彼らの御足の下で震えたのでした。

 マハープラブは、ニティヤーナンダの姿のバララーマと踊り、バララーマのバーヴァに憑りつかれてしまいました。
 彼は大声で叫び、ヴィシュヌの祭壇の上に腰かけ、ニティヤーナンダにこう言いました。

「私にハラ(鋤)とムシャラ(すりこぎ)をください。」

 ニティヤーナンダは手を伸ばしてハラとムシャラを渡し、マハープラブも手を伸ばしてそれらを受け取りました。
 マハープラブの近くにいて、彼に気に入られていた信者たちは、実際にそのハラとムシャラを見たのでした。一方、その他の人々はただ手が動くのを見ただけでした。
 ハラとムシャラを受け取ると、マハープラブはバララーマのバーヴァで活気づいて、「ヴァルニ、ヴァルニ!(酒だ、酒だ!)」と叫び始めたのでした。

 信者たちは、うろたえながらお互い顔を見合わせました。
 彼らはどうすればいいかわからなくなりました。
 すると、智慧あるシュリーヴァスが水差しにガンガーの水を満たして持ってきて、それをマハープラブの前に置きました。
 彼はそれを嬉しそうに飲みました。
 飲み終わると、彼は非常に酔っ払い、まるで本当に酒を飲んだようになりました。
 彼は自分が飲んだガンガーの水を、プラサードとして信者たちにあげました。
 信者たちは、それを飲むと、バララーマの賛美を歌い始めたのでした。

 すでに、ニティヤーナンダ・タットヴァは非常に理解し難いと述べましたが、ヴリンダーヴァナダース・タクルは、こう述べています。

「おそらくマハープラブは、ニティヤーナンダを明らかにする目的のためだけに、このリーラーを行われた。」

 感情が治まると、マハープラブは信者たちにこう言いました。

「一体、私に何が起きたのだ? 私は何か誤ったことや、見苦しいことはしてないか?」

 信者たちはこう言いました。

「いいえ、何もしておりません」

 しかし、ニティヤーナンダはこのマハープラブのリーラーを見てうっとりしてしまい、笑ったり、泣いたり、大声で叫んだり、子供のように踊ったりしました。
 踊りの中で、ダンダ(出家者の持つ杖)とカマンダル(水瓶)は忘れ去られ、コーピーナ(腰布)は腰から落ち、彼は裸になってしまいましたが、それでもバーヴァに没頭し続け、外界を何も意識していませんでした。
 マハープラブはどうにかして彼を落ち着けると、家に帰りました。
 そしてニティヤーナンダは、シュリーヴァスの家にそのまま住んだのでした。

share

  • Twitterにシェアする
  • Facebookにシェアする
  • Lineにシェアする