ド・キェンツエー・イエシェー・ドルジェの生涯(18)
1831年、ド・キェンツェーはチャクラの国王によってタルツェドやその地域の他の場所へと招かれました。そのときからド・キェンツェーはタルツェド地域にとどまり、チャクラの国王が彼の主な後援者になりました。
1832年、夢の中のヴィジョンで、彼は五人のダーキニーを伴って現れたマチク・ラプドゥンから教えと予言を受け取りました。その後、否定的な願望から生じる一切の障害がおさまり、彼はヨーギーの主として働き始めました。
あるとき、彼がサク・ラ山脈で野営していると、チャクラの国王が会いにやって来ました。一日、馬に乗り、バターランプを灯しながら、ド・キェンツェー、国王、ならびにトンサ・オーセルは、ある湖へと行きました。水の深さが馬のたてがみにまでなったとき、王は怖くなり引き返しました。ド・キェンツェーとオーセルは姿が見えなくなりました。しばらくすると、彼らは無事に姿を現しました。オーセルの話によると、彼らは水中に入っても水に濡れず、ランプも消えませんでした。それから、周りに多くの種類の動物のいる、三つの壁に囲まれた多くの階を持つ家に辿り着きました。ド・キェンツェーが白い服を着た人々に家の中に案内されているあいだ、彼は外で待っていました。そして再び彼らはド・キェンツェーを連れて外へと出てきました。そこでド・キェンツェーが何を持ち出したのかは、誰にも分かりませんでした。
ある日、デタ地方で、二人の若い羊飼いが、ド・キェンツェーと一緒に旅をしている一団を目にしました。彼らはド・キェンツェーが本当に千里眼を持っているのかどうか試してみたくなりました。羊飼いの一人が死んだふりをし、もう一人がラマの一団に死者に祈りを捧げてくれるよう頼みに走りました。ド・キェンツェーはその身体のところへやって来て、三本のパイプを吸い、その灰を羊飼いの頭に載せました。それから彼は何も祈りの言葉を口にせずに立ち去りました。
その一団が去ったあと、その少年は友人が本当に死んでいるのに気づきました。彼は一団の後を追い、本当のことを告げ、友人を生き返らせてくれるようラマに懇願しました。ド・キェンツェーは戻ってきて、「ツァ」という一言を口にし、呼び出す仕草をすると、再び立ち去りました。まもなく少年は意識を取り戻し、生き返ったことを嘆き悲しみました。なぜなら、彼は歓喜にあふれた純粋な世界に送られていたからでした。すぐさま彼はド・キェンツェの後を追い、後年、成就した瞑想者になりました。