デーヴァター・サンユッタ(6)
第六節 森に住んで
このように私は聞いた。
あるとき世尊は、サーヴァッティ-のジェータ林にあるアナータピンディカの園にましました。
そのとき、一人の天神があり、夜もすでにふけたころ、そのすぐれたる光をもって、くまなくジェータ林を照らしながら、世尊のましますところに到り、世尊を礼拝して、その傍らに座した。
傍らに座したその天神は、世尊の御許において、この詩句を唱えた。
「森に住み、寂静で、清浄な行者たちは、日に一食をとるだけであるが、その顔色はどうしてあのように明るく輝いているのであるか?」
世尊は仰せられた。
「彼らは、過ぎ去ったことを思い出して悲しむこともないし、未来のことにあくせくすることもなく、ただこの今だけを生きている。だから、顔色が明るく輝いているのである。
ところが愚かな人々は、未来のことにあくせくし、過去のことを思い出して悲しみ、そのために、萎れているのである。――刈られた緑の葦のように。」
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