デーヴァター・サンユッタ(1)
デーヴァター・サンユッタ(神々についての集成)
第一章 葦
◎時は過ぎ去る
このように私は聞いた。
あるとき世尊は、サーヴァッティ-のジェータ林にあるアナータピンディカの園にましました。
そのとき、一人の天神があり、夜もすでにふけたころ、そのすぐれたる光をもって、くまなくジェータ林を照らしながら、世尊のましますところに到り、世尊を礼拝して、その傍らに座した。
傍らに座したその天神は、世尊の御許において、この詩句を唱えた。
「時は過ぎ去り、日夜はうつりゆく。
青春の美しさは、次第にわれらを捨てていく。
死についてのこの恐ろしさに注視して、
安楽をもたらす善行をなせ。」
世尊は仰せられた。
「時は過ぎ去り、日夜はうつりゆく。
青春の美しさは、次第にわれらを捨てていく。
死についてのこの恐ろしさを注視して、
欲楽を捨てて、寂静を目指せ。」