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スワミ・プレーマーナンダ「貧者、動物、鳥たちへのやさしさ」(1)

スワミ・プレーマーナンダ

「貧者、動物、鳥たちへの優しさ」

 バブラーム・マハラージ(プレーマーナンダ)は、貧しい者の庇護者であられた。
 
 彼は冬の朝、よく綿の入ったジャケットを着ておられたが、ある日、クドゥダがそのジャケットを日に当てて乾かすために外に出していた、しかし後になって、ジャケットがどこにも見あたらなくなった。

 バブラーム・マハラージは彼に尋ねられた。

「何を探しているのかね?」

「あなたの青色のジャケットです。」

「おお、ガガンにあげてしまったよ。彼は冬、とても苦しんでいるから。」

「師よ、それではあなたは何を着るおつもりですか?」

「わたしは僧だ。冬や夏といった問題は、わたしにとってはたいしたことではない。」

 バブラーム・マハラージは、いつもマトの近隣の家を一回りして、みなの悲哀と願いをお聞きになった。本当に困窮している人達には、マトの貯蔵室からお米と野菜などを必要とするかを尋ねられた。

 マトで年一回のドゥルガー・プージャーのお祭りの時期、ある若い男が数人の漁師にプラサードを給仕しているとき、かなり動揺しているように思われた。これに気が付いて、バブラーム・マハラージは彼に仰った。

「君たちは以前に一度も給仕したことがなかったのかい? 彼らの欲求はわれわれのものと比べることができるだろうか? 日夜、彼らの胃の中には空腹の炎が燃えている。彼らのそれぞれのお皿に、おたまもう一杯分の食べ物を入れてあげなさい。満足ゆくまでタクルのプラサードを彼らに食べさせておやり。」

 これらの言葉をお話しになられたとき、彼の声は思いやりでいっぱいであった。

 何人かのお金持ちの人たちが、ドゥルガー・プージャーのために大量の上質のサンデーシュをマトヘ送った。そこに集まっていたマトの労働者と貧しい人々を指さして、バブラーム・マハラージはあるブラフマチャーリーにこう指示なさった。

「あの人々にもっとサンデーシュをあげなさい。」

 この仕事を与えられたブラフマチャーリーが、それでもまだほんの少ししか給仕していなかったのを見て、彼は席を立たれ、彼らにそれぞれ、山ほどあるサンデッシュをご自身で給仕なさったのだった。

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