シュリー・ラーマクリシュナの愛
シュリー・ラーマクリシュナは、ひとふれで、その人のカルマの99パーセントを飲み干されるのだった。師が最後に長い病気を患ったのは、他人のカルマを引き受けるためだった。師はわたしたちにいつもこうおっしゃっていた。
「わたしがカルマを引き受けた人々は、自分自身の強さで救済を実現したと思っている。わたしが彼らのカルマを引き受けたことを理解していない。」
師にどれくらい借りがあるのか、わたしたちにはわからない。しかしいつか、わたしたちのために師がなされたことを理解し、感謝をささげなければならない。
シュリー・ラーマクリシュナがコシポルのガーデンハウスに到着された時は冬だった。かなり寒い日が多かった。ある日の深夜、師の身の回りのお世話をしていたとき、わたしは薄い着物だけを羽織って外を急いで歩いていた。わたしが師の部屋に戻ったとき、師が、病気であるにもかかわらずベッドから起き上がり、何とか部屋を横断して洋服掛けにかかっている衣服に手を伸ばしているのを見た。
「何をなさるのですか?」――わたしは叱るような調子で師にお尋ねした。「今日はとても寒いのです。起き上がってはいけません。」
すると師はご自分のガウン(ショール)を持って、心配と愛情にあふれた弱々しい声でおっしゃった。
「お前が寒いといやなのだよ。これをお使い。」
――スワミ・ラーマクリシュナーナンダ(「わたしたちが見たラーマクリシュナ」より)
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