yoga school kailas

シュリー・チャイタニヤ・マハープラブ(22)

【ヴリンダーヴァンへ出発】

 プリーに三年間滞在したあと、チャイタニヤは、クリシュナが神の遊戯をしたヴリンダーヴァンへの巡礼を熱望しました。
 彼はガンガーで沐浴し、ヴリンダーヴァンへ行く前にナヴァディープで母親に会うために、少数の信奉者を引き連れてプリーを出発しました。
 チャイタニヤ一行の北方のオリッサの国境までの滞在と寄宿先までの手配はプラターパ・ルドラ王によってなされましたが、国境では激流の川を渡り、ワイン飲みで狂信的なイスラム君主が支配する国を通り抜けなければなりませんでした。しかしチャイタニヤの魅力的な人柄としびれるような信仰によって、イスラム君主の国境警備人は敬虔な信者となり、彼の旅路の手助けをしました。
 その後、チャイタニヤはガンガーをボートで進み、途中でパーニハーティとカーマルハーティに立ち寄りました。これらの地では多くの人々がチャイタニヤをひと目見ようと集まり、熱狂的信仰は伝染病のように群衆に広がりました。
 チャイタニヤはさらに旅を進め、シャーンティプルではアドワイタの家に10日間滞在し、そこで母親のサチにも会い、彼女の悲しみを癒したのでした。チャイタニヤは母親の足元にひれ伏し、足を握りしめて、ヴリンダーヴァンへ行く許可を請いました。そして母親の了承を得たチャイタニヤは、シャーンティプルでの短期滞在後、一度プリーへ戻り、ヴリンダーヴァンへ向けて出発しました。

 旅の進路は獣や野蛮人が出没するコター・ナーグプールの森を横切っていました。必要であればどこででも食物を調達してチャイタニヤのために調理をするバールカンドラ・バッターチャリヤという一人の従者のみが同行していました。この旅で、この男は野蛮人からヴィシュヌ派信者になったのでした。

 素晴らしいことに、チャイタニヤの存在によって、トラと牡鹿が仲良くお互いをなめ合い、野生動物たちは彼のそばを並んで歩きました。チャイタニヤが沐浴していた水たまりにやってきた象たちは、クリシュナの御名を鳴き、水を撒き散らして踊り始めました。孔雀や鳥たちはチャイタニヤを見ると、そばに寄ってきてクリシュナの御名を歌い踊りました。
 ジャールカンド州では、チャイタニヤは残忍で暴悪な地域部族にクリシュナへの信仰を説き、彼らを救済しました。

 このようにしてチャイタニヤは、旅につきものの困難や危険な目に遭うことなく、カーシー(ヴァーラーナシー)に到着するまで、素晴らしい景色を楽しみながら森を抜けて旅を続けました。

share

  • Twitterにシェアする
  • Facebookにシェアする
  • Lineにシェアする