シュリー・チャイタニヤ・マハープラブ(16)
【クリシュナとラーダーの物語】
次に、クリシュナ物語の全体の謎を明らかにするよう求められたローイは、次のように述べました。
「クリシュナは究極の実在であり、全ての動機、全ての根源です。彼には永遠に存在する永遠なる住処があり、その身体はサット(純粋実在)、チット(純粋意識)、そしてアーナンダ(純粋歓喜)です。
ヴリンダーヴァンでは超自然的な美少年として顕現し、彼の信仰においては愛の種子である捧げられた愛が提唱され、男性・女性、生物・無生物のすべての心を魅了しました。
クリシュナの力は無限で、そのうち最も重要なのがチット・シャクティー、マーヤー・シャクティー、ジーヴァ・シャクティーです。一番目は彼の内在的で本質的な力(スワルーパ・シャクティー)、二番目は彼の外的な創造力(マーヤー・シャクティー)、三番目は彼の保存力(ジーヴァ・シャクティー)です。
このうち、クリシュナのスワルーパ・シャクティーは、サット、チット、アーナンダの三種類の特徴にしたがって三種類の顕現を持っていました。
アーナンダの特徴は至福を与えるヒラーディニー、サットは創造のサンディニー、チットの特徴はジーヴァの本性であるサンヴィトです。
歓喜のクリシュナは、ヒラーディニーという名前でした。クリシュナ自身が歓喜であり、また歓喜を楽しんでもいます。ヒラーディニーは帰依者に歓喜を与え、その本質はプレーマ(愛)と呼ばれます。プレーマは感情の流れでマハーバーヴァとして知られる究極の形です。ラーダーは最も高度なヒラーディニー・シャクティーの表現であるこのマハーバーヴァの象徴でした。」
-
前の記事
シュリー・チャイタニヤ・マハープラブ(15) -
次の記事
シュリー・チャイタニヤ・マハープラブ(17)