シュリー・チャイタニヤの生涯(2)
チャイタニヤの父ジャガンナート・パンディタと母サチの間には、八人の娘と一人の息子がいましたが、ヴィスウェーシュワラ少年は16歳になってすぐ、遍歴僧の生活をするために家族を離れ、その間に八人の娘達は全員亡くなりました。
十番目の子として生まれたチャイタニヤに、父親は占星図を考慮して、ヴィスワンバーラと名付け、母親はニームの果実と葉の苦味を連想させるニマイ(短命という意味を持つ)という名前を与えました。母親は、八人の娘を失うことになってしまった悪い廻りの下で、縁起の良くない名前は逆に危険を回避できるのだと信じていました。(一方で、この名前が彼に与えられたのはニームの木の下で生まれたからだという説もあります。)
ニマイは、聖糸の授与式の時にその美しさを認められ、ガウラーンガ(金色の人)と名前を変え、のちに彼に出家のための祝福を与えた霊的グルによってシュリー・クリシュナ・チャイタニヤ(人類の心の中に住む神に目覚めた者)という名に変わりました。
ニマイの幼少期は、まるでシュリー・クリシュナ自身を彷彿とさせるものでした。赤ん坊の頃のチャイタニヤの輝かんばかりの非常な美しさに魅了されて、彼を抱擁するために女性たちが次から次へと訪れ、母親が世話をする時間も残されていないほどでした。赤ん坊は、ぐずってもハリの御名を唱えればなだめることができました。
ハイハイができるようになると、目を離した隙にすぐに通りに出ていってしまい、それは歩けるようになってからはさらに頻繁になりました。
ある日、ニマイがアクセサリーを身につけて町を歩いていると、盗賊に襲われ、アジトに連れていかれそうになりました。しかし驚くべきことになぜか盗賊は道に迷い、ついにはニマイの家に到着してしまいました。この出来事が奇跡的な要因となり、盗賊はその後、禁欲主義者となって聖者になりました。
これは、チャイタニヤの生涯の、奇跡的転換の始まりでした。
ニマイの美しさは筆舌に尽くしがたいものでした。彼の顔艶はプラチナの華麗さのようで、その手のひらや足の裏はまるで朱赤で染められたような色をしていました。彼の唇はビンバフルーツのように赤みを帯び、非常に愛くるしい瞳は、まるで蓮の花のように細長く、その花蜜で湿らせたようでした。