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ゴーラープ・マーの生涯(6)

 シュリー・ラーマクリシュナがゴーラープ・マーに向けた、その偉大な愛と優しさによって、彼女は、姉妹と住む南カルカッタにある貧しいボロボロの自宅に、師を招待する気持ちをついに奮い起こしたのでした。1885年7月28日のそのときの様子を、Mは次のように美しく描写しています。

”師は、娘の死によって悲嘆に暮れていたブラーミンの女性の家に到着された。それは古いレンガ造りだった。家に入り、左側の牛小屋の前を通り過ぎられた。彼と信者たちは屋上にあがり、着座された。立って列をなす人々や、座っている人がいた。彼らは皆、シュリー・ラーマクリシュナを一目見ることを切望していた。
 そのブラーマニーには妹が一人おり、彼女たちが窓口だった。ブラーマニーはシュリー・ラーマクリシュナをお迎えする準備に朝からずっと忙しくしていた。師がナンダ・バスの家にいる間、彼女は非常に落ち着きがなく、師が来られたかどうかを数分後ごとに外に出て見に行っていた。師はナンダの家から彼女のところへ行くと約束されていたのだ。約束の時間を過ぎていたので、彼女は彼がもう来ないのではないかと考えていた。
 ……シュリー・ラーマクリシュナはカーペットの上に座っておられた。ブラーマニーの妹がやってきて、師に礼拝をした。彼女は言った。「姉は、あなたがここに来るのが遅れている理由を聞きにナンダの家へ行ってしまったところです。」 
 そしてブラーマニーの妹が大声で叫んだ。「姉さんが来たわ!」

 ブラーマニーはやってきて、師に礼拝をした。彼女は喜びで我を忘れ、言うべき言葉を探せない様子だった。そして、絞り出すような声で言った。
「わたしにはこの喜びは大きすぎます。多分わたしはこのために死んでしまうでしょう。ああ、教えてください、どうすれば生き延びられるのでしょう? 娘のチャンディーが、裏路地に並ぶ武装衛兵と、お仕着せを着た召使いを引き連れてここを尋ねてきていたときさえも、こんな感動は覚えませんでした。
 おお! 今、わたしは彼女の死への悲しみの跡形も持っていません。わたしは彼(シュリー・ラーマクリシュナ)がここへいらっしゃらないのではないかと心配していました。そのことを考えて、もしそうなってしまったら、わたしは彼をもてなすために準備したすべての物をガンガーに捨てたほうがいいと考えていました。もう彼にこれ以上、話をするべきではないのだと。もし彼がどこかを訪れたら、そこへ行って、離れたところから彼を眺めて、立ち去るべきなのでしょう。」”

 Mは、このブラーマニーの偽りのない喜びと恍惚状態を見て、驚いていました。そして思わず彼女の足の塵を取ろうとしました。
「何をなさるのですか!」 
 ブラーマニーは叫び、Mに敬礼をしました。
「わたしはここであなた方皆にお会いできて、とても幸せです。」
 そのように彼女が話をしているところへ、彼女の妹がやってきました。
「来てください、姉さん! あなたなしでどうやって進めていけばいいのかしら。わたし一人に全部できるというのかしら?」

 しかしブラーミンの女性は、喜びに圧倒されていました。彼女は、師と信者たちに目が釘付けだったのでした。

 そのあと少しして、彼女は非常にうやうやしくシュリー・ラーマクリシュナを別の部屋へ連れて行き、軽食と甘い物を彼に捧げました。

 午後8時、シュリー・ラーマクリシュナはゴーラープ・マーの家から、ヨーギン・マーの家へと向かいました。ゴーラプ・マーもそこへ同行し、それからバララームの家へ一緒に行きました。
 夕食後、Mは一人でラーマクリシュナの足をマッサージしていました。そしてMは、ゴーラープ・マーと妹について師に言及しました。

「なんて素晴らしいことなのでしょう! ジーザスの時代に、二人の女性のよく似た話があります。二人は姉妹でキリストの信者でした。マルサとマリーです。」

師(熱心なご様子で):「話しておくれ。」

M:「イエス・キリストが、あなたのように彼の信者の家を訪ねました。彼を見た姉妹のうちの一人が、恍惚とした至福感に満たされました。もう一人は、ジーザスを迎えるための食事などをすべて一人で準備していました。彼女は師に小言を言いました。
”おお、どうか判定してください、彼女がいかに間違っているかを。彼女はあなたの部屋に座っていて、わたしはすべてのことを一人で行なっているのです。” 
 ジーザスは言いました。
”あなたの姉妹は本当に幸運である。彼女は人間の生でただ一つ必要なことを深めたのだよ。神への愛だ。”」

師:「うん。今日の出来事を見て、お前はどのように感じたのかな?」

M:「わたしはキリスト、チャイタニヤ、そしてあなたを感じました。それらはすべて同じであるのだと。」

師:「そうだ、そうだよ! 一つ、一つなのだ。本当に、一つなのだよ。」

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