グル・バクティヨーガ(35)「グルへの供養」
◎グルへの供養
マントラのイニシエーションは、サーダカがサーダナー・チャトゥシュタヤ(救済の四つの手段)のあらゆる美徳が良く身に付いた後に、グルによって為される。そうでなけければ、イニシエーションはあまり役に立たないであろう。
※救済の四つの手段
1.実在と非実在の識別
2.放棄
3.六つの徳(寂静、修習、離欲、忍耐、信、集中)
4.渇仰
古代において、弟子は手に薪を持って、師にアプローチしていた。薪とは、グルの蓮華の御足へ自己を捧げること、明け渡すことを象徴している。
「ここに私のカルマの束があります。どうか燃やしてください。」――これが、手に薪を持つことが暗示しているものである。外的な意味では、これはリシたちがよくアグニホートラを行っていたということであり、そしてこれは、供儀のために薪を持ってくるという形でのグルへの奉仕を象徴している。
霊性の悟りは、グルへの最高の献身の結果である。
マヌ法典の中にこう説かれている。「弟子に常に、完全なる信と献身をもって師に奉仕させつつ、ヴェーダの勉学に従事させなさい。弟子に、酒、肉、香水、芳香、女性、おいしい料理、五感を持つ生き物を傷つけること、情欲、怒り、貪り、(世俗的な)踊り・歌・楽器、色染め、遊び、噂話、悪口、眠りすぎ、不誠実をやめさせなさい。」
古代において、弟子としての人生は、ウパナヤナの儀式(少年時代に聖なる紐を授けられる儀式)から始まっていた。
弟子は、徳と叡智の住処であるグルの導きの下に、適切に自分の人格を形作らなければならない。
-
前の記事
「逆境を悟りへの道に」 -
次の記事
グル・バクティヨーガ(36)「礼拝の条項」