クンサン・ラマの教え 第一部 第二章「無常」(1)
第二章 無常
この三界がはかない幻であると理解すれば、
現世の心配事など放っておくだろう。ゴミに唾を吐くように。
すべての困難を受け入れて、古の聖者方の跡をたどりなさい。
完全なる師よ、あなたの御足に誓います。
この章の主題は次の七つの瞑想からなる。
世界の無常、
命の無常、
聖者の無常、
権力者の無常、
そのほかの無常の例、
死が訪れる時の不確実さ、
無常を強く認識すること。
(1)世界の無常
わたしたちの住むこの世界は、衆生のカルマによって形作られ、四つの大陸、メール山、天界を有し、このカルパの間存続する。無常であり、七つの火と七つの水による最後の崩壊から逃れることはできない。
最後の崩壊のとき、まず七つの太陽が順に空に昇る。
最初の太陽は、木と森をすべて焼き尽くす。
二番目の太陽は、小川、池などをすべて蒸発させる。
三番目の太陽は、大河をすべて干上がらせる。
そして四番目の太陽は、マーナサローワル湖のような大きな湖でさえすべて干上がらせてしまう。
五番目の太陽は、大海をも徐々に蒸発させていき、最後には足跡を満たすほども残らなくなる。
六番目の太陽があらわれる頃には、大地も雪山もすべてが炎に包まれる。
そして七番目の太陽が昇るころにはメール山自体が燃え上がり、四つの大陸とその周りの八つの島、七つの黄金の山、世界の縁を円く取り囲む山の壁も一緒に燃え上がる。
すべてが熱せられて、大きな炎の塊となる。下に広がった炎は、地獄に至るまでの世界をすべて飲み込む。上に広がった炎は、神聖なるブラフマ天界までも飲み込む。
このようにして炎による破壊が七度起こった後、色界の第二静慮に住する神々の世界に雨雲があらわれる。雨が激しく降り出し、やがて、まるで塩が水に溶けるように、それより下にあるすべてのものを崩壊させながら飲み込んでいく。
このようにして水による破壊が七度起こった後、宇宙の基底部で十字金剛が風に溶け、塵が風に散らされるように、すべての世界が完全に吹き飛ばされる。
宇宙を構成する無数の銀河がそれぞれにメール山と四つの大陸と天界を持ち、このように破壊された後には何もなくなるのであれば、わたしたちのこの人間の身体などは虫のようなものであり、永遠であったり不変であることなどがあろうか。これについて深く、真摯に考えなさい。