イエス・キリストの生涯(7)
◎Spirit Vs. Form
その頃、最初の弟子たちが、救世主イエスのもとに集まってきました。あるときファリサイ派(律法と慣習を遵守したユダヤ教の一派)の人々はイエスの弟子たちがサバト(休息日)に穀物を収穫して、食べているのを見つけました。これを彼らがイエスに伝えると、イエスはこう言いました。
「サバト(休息日)は人々のためにあるのであって、人々がサバトのためにあるわけではない。」
これは、別の回答を期待していたファリサイ派の人々をひどく不愉快にしました。
イエスがサバトの日にユダヤ教の礼拝堂で教えを説いていると、ファリサイ派の人々は、イエスがサバトの日に病人を癒すかどうかを見極めるために、彼のもとに病人を送りました。イエスはファリサイ派の人々の方を向き、こう尋ねました。
「サバトの日に善を行なうのが正しいのだろうか、それとも悪を行なうのが正しいのだろうか?」
彼らは何も答えることができませんでした。イエスは病人の方を向いて、彼を癒しました。これがきっかけとなって、ファリサイ派はイエスに対抗するようになったのでした。
イエスが『過越の祭り』の祭礼に参加するためにエルサレムへ行くと、その夜、ファリサイ派の最高法院の議員の一人であったニコデモがイエスを訪ねてやってきました。ニコデモは、イエスが神によってもたらされた師であることを認め、こう言いました。
「私はあなたが説くことをすべて理解できるというわけではありません。」
これに対して、主は深い霊性の意味が含まれた言葉で答えました。
「人は、神の王国を見たいと思うならば、再び生まれてこなければならない――ただし、肉体からではなく、神の感覚の中で。」
エルサエレムからガリラヤに帰る途中、イエスはサマリヤ地方を通りました。そして、そのサマリヤのスカルという村にあった井戸の近くで休憩しました。イエスが休憩している間、弟子たちは食料を買いに町へと向かいました。すると、あるサマリヤ人の女性が水を汲みにその井戸のところにやってきました。イエスは彼女に、自分にも少し水を分けて欲しいと言いましたが、ユダヤ人はサマリヤ人とは一切関わりを持つことが許されないので、彼女は水を分けるのを躊躇しました。するとイエスは彼女に、彼女の過去生のことを語りました。その瞬間、彼女はイエスが預言者であると理解しました。そして彼も自分が救世主であることを認めました。その女性は驚いて、すぐにそのことを都の人々に広めました。すると都の人々がイエスの周りに集まってきて、このように宣言しました。
「この御方はまさに、世界の救世主・キリストだ!」
そしてイエスがカナに戻ると、そこのある貴族の男がイエスに近づいてきて、カペルナウムで危篤状態の息子に恩寵を授けてほしいと懇願しました。イエスはこう答えました。
「あなたの思う通りにやりなさい。あなたの息子は助かるから。」
イエスがそう言ったその瞬間に、彼の息子は健康を取り戻しました。その貴族の男がカペルナウムに戻っている途中に、彼の召使いがこの喜ばしい知らせを持って彼のもとにやって来たのでした。