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アクシャヤ・トリティヤ

 今日はインドで、一年最高の吉日の一つとされる、アクシャヤ・トリティヤの日です。

 アクシャヤとは「不滅」という意味。一年で最も太陽と月の光が強くなる日で、この日に願ったことは永遠に続くともいわれています。
 あるいはいろいろな善いことを始めるのにも適しているようです。

 インドでは、宝石など高価なものを身に着け始めるのに最も良い日ともいわれ、お店がにぎわう用ですが、これは何かバレンタインデーのような商業的な策略の感じもしますね笑

 せっかく「永遠に続く」という祝福がある日なんですから、無常な現世的なものや願いではなく、魂の根幹にかかわるような願い、あるいは善なる行為をするのがよいのではないかと思います。

 またこのアクシャヤ・トリティヤは、以下のような神話に関わる重要な日であるという説もあるようです。

・ドラウパディーの窮状をクリシュナが救った日

・ガンガー(ガンジス河)が天から降りてきた日

・ヴィヤーサとガネーシャがマハーバーラタを書き始めた日

・クリシュナが幼馴染のスダーマに恩寵を与えた日

 スダーマは大変貧乏でした。ある日、彼の奥さんはスダーマに言いました。

「あんたの幼馴染のクリシュナは、今や王様になっているじゃないか。何をしてるんだい、彼のもとに言って、富を恵んでもらってきておくれ。」

 奥さんに弱かったスダーマは、言われるがままにクリシュナのもとへと向かいました。旧友の訪問をクリシュナは喜び、訪ねてきたわけを尋ねましたが、スダーマはどうしても、富が欲しいなどとクリシュナに言い出すことはできませんでした。そんなスダーマを、クリシュナは小さいころと変わらぬ愛をもってもてなしました。
 スダーマはクリシュナへのプレゼントとして、少量の焼いた米を持ってきていました。貧乏なスダーマには、それが精いっぱいだったのです。しかし豪華な宮殿に住むクリシュナを前にして、スダーマはそのような粗末な贈り物を差し出すのが恥ずかしくなり、もじもじしていました。するとクリシュナはそれを悟り、スダーマからその米の入った包みを奪うと、それを自分の口に放り込み、言いました。

「こんなおいしい食べ物は初めてだよ!」

 このようなクリシュナの愛を受けるうちに、スダーマもあの少年のころのクリシュナとの純粋な愛の日々を思い出しました。スダーマはクリシュナに富を乞いに来た自分が恥ずかしくなり、ただ主への永遠の愛だけを願って、そこを去りました。
 
 クリシュナのもとを去り、家に向かう途中、スダーマは、妻のことを思い出しました。手ぶらで帰ったら妻は怒るだろうと思い、とぼとぼと歩きました。しかし家に帰り着いたスダーマはびっくり仰天しました。彼の粗末な家は豪邸に変わっており、家には多くの金銀財宝が積まれていたのです。決してクリシュナに現世的な富を願わなかったスダーマに対して、クリシュナはすべてを与えたのでした。

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