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『アドブターナンダ』(7)

 あるとき、ギリシュ・ゴーシュ(ラーマクリシュナの有名な在家信者の一人)は、ある信者に言いました。
「ギーターに書いてあるような僧に会いたければ、ラトゥに会いに行きなさい。」

 その信者は、ギリシュの言わんとすることが理解できませんでした。そこでギリシュは言いました。
「あなたはギーターの第二章を読んでいないのですね。明智を持つ人の性質がそこに書かれているのです。そのような性質のすべてが、ラトゥの性格に現われていることがわかるでしょう。」

 ギーターの第二章、明智を持つ人の性質についての説明とは、以下のような内容でした。
「逆境に心を乱さず、幸福を追い求めず、恐怖を知らず、怒りを知らず、物欲を知らぬ者。私はその者を、賢者、明智の人と呼ぶ。」

 1893年、スワーミー・ヴィヴェーカーナンダ(ロレン)は、世界宗教会議にヒンドゥー教の代表として出席するために、アメリカへと旅立ちました。
 アドブターナンダは、後にこう語りました。
「私はホーリーマザーから、ブラザー・ロレンがアメリカに旅立ったことを伺った。私は彼の様子を聞きたくてたまらなかった。
 師がお亡くなりになった後、師がブラザー・ロレンの輝かしい未来についておっしゃったことは間違っていると言う人々もいたが、私は彼らを決して信じなかった。私は彼らに面と向かって言ってやった。
『師がそう宣言なさったからには、あなた方にもいつかわかるだろう、それは言葉の端々に至るまですべて実現するだろう。いつの日か彼は私たち全員を超えるだろう。』
 そしてついに、スワミジー(ヴィヴェーカーナンダ)のアメリカでの活躍が新聞に載ったとき・・・おお、私の喜びをどうやって表すことができるだろう!」

 ギリシュ・ゴーシュはこう言いました。
「ラトゥはよく私のところに来て、アメリカでのスワミジーの華々しい活躍をことごとく聞きたがった。彼の振る舞いはまるで子供で、信頼と感激でいっぱいだった。スワミジーの講演が最良のものだとみなされたのだと教えてやると、彼は少年のように大喜びに笑って、言った。
『当たり前のことです。彼には18の力がその最高の形態で働いている、と師はおっしゃったではありませんか? それ以外になりようがありません。師の予言が間違うはずがありますか?』
 ある日、彼はあまりの喜びにわれを忘れて叫びました。
『彼に手紙を書いてください。「恐れることはありません、師があなたを見守ってくださいます」と。』
 そして別の人に彼は言いました。
『見てごらん、師が「偉大になる」と目印をお付けになった人が、隠れたままでいられるかね?』」

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