「鳥のダルマの素晴らしき花輪」より(13)
次に家禽の雄鳥が立ち上がり、羽根を三度羽ばたかせてから、「エゴー、エゴー」と鳴きました。「わかった?」という意味が、この鳴き声にはこめられています。
「輪廻する世界にいる間は、本物の幸福は得られません。エゴー?
世間で盛んな行ないには、終わりというものがありません。エゴー?
肉と血でできた身体に、永遠なものなどありません。エゴー?
死の王は、ほら、いつでもそこにいるのです。エゴー?
お金持ちでも死ぬときは、たった一人で出かけなければなりません。エゴー?
そのときは、集めた富を持って行くことなどできません。エゴー?
愛用の身体も、鳥や犬のご飯になっていくのです。エゴー?
バルドの心がどこへ向かっていくのかを、決めることなどできません。エゴー?
仲の良かった友達とも、別れなければなりません。エゴー?
悪の行ないを積んでいると、後で必ず悪しき結果があらわれます。エゴー?
この世のものを見渡しても、実体のあるものなどありません。エゴー?」