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「解説『至高のバクティ』」第4回 「バクティ」⑤(4)


 はい、そしてちょっと簡単にパーッといきますが、「なぜならそれは、愛著と嫌悪、迷妄、念と正智の欠如、すべての災いの原因となるからだ。」
 はい、これは分かりますね。今言ったことと同じ。愛著と嫌悪や迷妄が、悪しき者との交際によって増えていく。あるいは念と正智、つまり念正智がどんどん消えていくと。
 で、すべての災いの原因って書いてあるよね。つまりまさにそれはすべての災いなんです。われわれの中から念正智が消えるとか、われわれの中に愛著や嫌悪や怒りや迷妄が増していくっていうのは、あらゆる災いの原因なんです。災いね。
 災いの原因というのは、皆さん勘違いしちゃいけないよ。普通われわれはエゴを阻害されることを災いって勘違いしているんだね。逆なんです。エゴを守ることが災いです。われわれは逆にエゴがいじめられたりとか、エゴが叶えられなかったりすると、「災いが起きる」と思ってしまう。で、自分の幸せのためにエゴを守りたがる。エゴを主張したがる。逆なんだね。こいつが一番の災いの元なんです。「お前だろう!」っていうことですね(笑)。エゴが主張してきたら言ってください。エゴが――例えばY君のエゴがね、「おい、Y!」――あの、こういう感じなんですよ、エゴって。いつも言うように自分と違うからね、エゴって。エゴは、エゴと皆さん自分をいつも一体化して考えているけども、実際は特に修行者の場合は、「わたしは修行者である」という意識があったら、エゴは別物なんです。別物だけどちょっと自分と一体化したような感じで、ちょっと半分一体化したような感じでいる奴なんだね。こいつは徹底的にぞんざいに扱ってください。粗末に扱って構わない。「自分と半分一体化しちゃっているけどもお前の言うことは聞かないぞ」と。「おい、Y!」――あの、だから「ど根性ガエル」みたんなもんです(笑)。

(一同笑)

 「ド根性ガエル」みたいな感じでね、ここにくっついてて(笑)、「Y! お前、今自己主張しないでどうするんだ!」と言ってきても――例えばだけどね、今言ったみたいに、「今自己主張しないと災いの元になるぞ!」って言ってきたら、逆に言い返してください。「お前だろう!」と(笑)。「すべての災いの元はお前じゃないか!」と。お前が――『入菩提行論』にあるように、「お前の言うことを聞いてきたが故に、おれは何億回も地獄に落とされてきたんじゃないか」と。「お前の言うこともう聞かないぞ」と。「わたしは偉大な神の道、仏陀の道にようやく巡り会った」と。「このエゴこそがすべての苦の原因であることをやっと気付かせていただいたんだ」と。「だから今日からは一切エゴの言うことを聞かないぞ!」と。だから「災い」のポイントが全然違うんだね。
 でもそうじゃなくてエゴを増大させるような、エゴを肯定するような情報が周りにはもちろん蔓延しているわけだね。あるいはもちろん今言った情報という意味でもそうだし、エネルギーという意味でもそうだし、だからそういうのから自分をブロックしなきゃいけない。逆に自分を上向させるような、エゴから神の道に向かわせるようなものとできるだけ付き合いなさいということですね。
 はい。「悪しき者との交際により、悪は初めはさざ波のようでも、やがて大海のように拡大してしまうだろう。」
 これは今言ったことだね。

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