「解説『バクティヨーガ・サーダナー』」第二回(8)
【本文】
怒りから生じる八つの悪癖
1.ダルマから外れること
2.軽率さ
3.他者を悩ますこと
4.嫉妬
5.揚げ足取り、アラ探し
6.不正行為
7.乱暴な言葉
8.残酷、無慈悲、冷酷
はい。これは今度は「怒りから」というカテゴリーになっていますが、まあ当然、これはさっきから言ってるように、カテゴリー分けしなくても、われわれが実質的に、これを引っかからないようにした方がいいっていうことですね。はい。
まず「ダルマから外れること」。はい。われわれは怒りによって、つまり心がカッカしてくると、ダルマから外れる。これはまあそうだな、この中でそのタイプの――まあ特に――まあ、こう言うとまた男尊女卑になるけど、女性で多いね(笑)。つまりその、カッカして悪いことをやっちゃう。あるいはカッカして、悪い心を肯定してしまうっていうか。瞬間的な怒りだね。で、これによってダルマから外れて――で、これも同じようにループにはまる。つまりその、本当だったならば、冷静であったならば、正しく念正智できてたはずなのに、カッとした怒りによって、一つのダルマから外れたことをやってしまう。で、まあそこでちゃんと反省して懺悔すればいいんですけども、懺悔とかしなかった場合、その部分がまた増大し、またダルマから外れたことをやると。で、またそれが、怒りが増大した場合、もうちょっとハードルが下がっちゃってるから、今度はより大きなダルマから外れることをやってしまいます。このようにして、どんどんどんどんこう、なんていうかな、悪循環にはまってしまうんだね。
だからまあ、ここはちょっと一つの教訓としては、シャーンティデーヴァが言ってるように、ね、「たった一度の怒りによって、数千カルパ積んだ功徳が、全部破壊されてしまうことさえある」と。それくらいの気持ちで、なんていうかな、自分の中に決して怒りを爆発させない。そして、なんていうかな、その怒りから何かこう悪しき行動に走らない。ダルマから外れた行動に――思索も含めてね、心の働きも含めて、絶対そのようなことを発動させないと。これを徹底的に自分に言い聞かせてやる。「決してわたしは怒らないぞ」と。
怒りによってすべてをパーにしてしまう。怒りによって――まあ現世でも、社会でもよくあるわけだけど、一瞬の怒りによって社会的地位を失うとかあるよね。でも、社会的地位を失うぐらいならいいですよ。数千カルパの徳を破壊するとかね、あるいは一瞬の怒りによって修行者が終わってしまうとかね、そういうことももしかしたらあるかもしれない。だから決して、怒りを肯定しないというよりは、その、気を抜かない。怒りという悪魔にいつ襲われるかわからない。だから常に、慈愛や、あるいは忍辱ですね。自分の心を怒りが襲ってしまう、つまり怒りにコントロールされてしまうのを決して許さない。このような念正智が必要ですね。
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