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「解説『スートラ・サムッチャ』」第14回(8)

◎ブッダ・菩薩の偉大性を信じる

 はい。そして最後の方、「このように、甚深にして広大な経典の中には、多くの相が説かれている。このようなブッダ・菩薩の偉大性を信じ、理解し、経典を読誦し、供養し、尊重する者の功徳は、実に広大に増長する」と。
 これはね、例えばヒンドゥー教でいうと、クリシュナ信仰、あるいはラーマ信仰、あるいはシヴァの信仰もそうですが、もちろん大乗仏典でもそうだけど、こういうことがよく説かれてるんですね。こういうことってのは、仏陀の偉大性、あるいは仏陀の多くの相、甚深なる多くの相を信じなさいと。
 ま、今言った話ですけどね。例えばクリシュナがアルジュナに『バガヴァッド・ギーター』においてね、その正体を見せましたと。それはもう本当にもう、例えば、「目からこの神が出てきて、口からこの神が出てきて……」とかいろいろ書かれてる。ちょっと人智を超えたようないろんなことが書かれてる。で、それを「素晴らしい」と、「ああ、さすがバガヴァーン・クリシュナよ!」と信じなさいと。あるいはお釈迦様はもちろんそうだし、例えば大乗仏典とかでも、お釈迦様のちょっと人智を超えた相みたいなのがいっぱい書かれてる。で、そういうのを、「あ、素晴らしい」と、信じなさいと。で、これはちょっと端折って言うけども、非常にわれわれの悟りや、あるいはわれわれのこの迷妄の世界を抜け出すためのポイントになるんだね。
 いろんな修行がある。いろんな修行があるっていうのは、基本的な徳を積んだり、戒律を守ったり、あるいはエネルギーを浄化したり、いろいろあるわけですけども。それはもちろん、さっきから言ってるように土台として必要なわけだけど、でもわれわれがその土台の上に、このマーヤーを抜け出す手がかりをつかむには、超越的な存在に対する強力な信、あともう一つは、なんていうかな、愛っていうかな。それに対する超越的な愛っていうか。――で、この超越的な愛を向ける相手に対しては、もう一回言うけども、限定を設けちゃ駄目なんだね。もう無限定の、われわれの人智を超えた、限りなき存在としてそれを見なきゃいけない。で、これが最も大事な一つのポイントになるんですね。

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