「粗雑な煩悩から」
◎粗雑な煩悩から
【本文】
十.最初は、粗雑な煩悩から浄化していってください。
これもあの、「容易な実践から」っていうのともつながるけどもね、われわれには粗雑な煩悩、そして微細な煩悩がある。で、最初は粗雑な粗っぽいところからっていうことです。つまり微細な煩悩っていうのは、なかなか自分で認識できないような――例えば、「修行して悟りを求めたいといってるけども、その裏にはこういう汚れも少し含まれてる」とか、そういう微細なものってあるよね。なかなか自分でも認識できないような。そういうんじゃなくて、分かりやすいものっていっぱいあるじゃないですか。さっき言った、Kさんみたいな、「怒りが出るんです」と。これは分かりやすい。じゃあそれは怒りから何とかしていきましょうと。
でも、もっともっと微細なのもいっぱいあるんだね。例えば、「わたしは教えを学んでる背景に、やっぱりプライドがあるんだな」っていうのがあるかもしれない。でも、そこにこだわるよりも、まずは大きいものから何とかしてくださいと。
わーって怒ってて、「Kさん、怒りをなんとかしたほうがいいんじゃないですか?」「いや、それより今わたしは、このプライドを何とかしようとしているんです」とかいうのは駄目です(笑)。――「いや、まずはそれよりも、怒りからなんとかしてください」と、例えばね。例ですよ、これは。
いろんな細かい、なかなか対処しがたい微細なものっていうのは、もちろん最終的には何とかしなきゃいけないんだけど、まずは分かりやすい、怒りであるとか、あるいは何かに対する強い執着であるとか、そういうものからまずは対処してくださいっていうことですね。
-
前の記事
「実践の三つの条件」 -
次の記事
「すぐに実践する」