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「私が見たブラフマーナンダ」より「我が師」(5)

 マハラジとマハープルシャ・マハラジは、古い建物の中の大きな広間を住まいとされていました。
 スワミ・シャンカラーナンダジはその部屋の隣で、スワミ・トゥリヤーナンダジはその隣、 スワミ・シュッダーナンダジはさらにその隣に住んでいました。
 礼拝堂は建物のつきあたりの部屋にありました。
 
私はこの礼拝堂でマハラジの恩寵を賜りました。
 

わたしの記憶によると、この期間、それら滞在していたスワミたちのほかに、そこにはセーヴァ・アシュラムの長であるスワミ・カルヤーナーナンダジと、そのアシスタントであるスワミ・ニシュチャヤーナンダジ、スワミ・アチャラーナンダジ、ラクシュマン・マハラジ、マハラジの個人秘書、そして以下、セーヴァ・アシュラムの奉仕者であるブラフマチャーリーのジヴァン、ナゲン(マハラジは彼のことをロギンと呼んでいました)、アビナーシュがいました。
 
そのほかに誰がいたのか、思い出すことができません。
ブルブルはマハラジの使用人としてそこにいました。

 

当時、そこには四つの建物があったことを覚えています。――
一つはマハラジとその他の者たちの住居、新しく建てられた結核病棟、アシュラムの奉仕者たちの住居と厨房。
そのほかに、薬局の建物と入院患者のための病院があったと思いますが、わたしはそこを訪ねたことはありませんでした。
 

マハラジが望まれて、その年初めて、ドゥルガー・プージャーがカンカルのセーヴァ・アシュラムで執り行なわれました。
 マザー・ドゥルガーの像がカルカッタから到着しました。

マハラジの側役であるラクシュマン・マハラジがプージャーを行ないました。そして、スワミ・シュッダーナンダジがタントラ・ダラク(礼拝者のアシスタント)を行ないました。
 ラクシュマン・マハラジはプージャーの儀式を学ぶ必要がありました。そのため彼はおよそ一ヶ月の間、マハラジへのご奉仕から外れなければなりませんでした。マハラジはわたしに対して恩寵をお示しくださり、ラクシュマン・マハラジの務めを引き継ぐようにと頼まれました。
 分不相応であったにも関わらず、わたしは喜んで、務めを果たすことができました。しかしマハラジは、わたしのすべての失敗を大目に見てくださっていたのでした。

 プージャーの期間中、カンカル在住の異なる階級の僧たちが、日に一度のプラサードを共に供養するために招かれました。大勢のサンニャーシンが集まりました。
わたしは、マハラジがいつもお使いになっている椅子を、広い芝生の上に、上下逆さまにして置いておきました。
 不意に、ある年配の僧が、その椅子を起こして座っているのを目にしました。わたしはすぐさま彼の元へ駆け寄り、こう言いました。

「聖者様、この椅子にはお座りになれません」

 彼は「なぜなのだい?」と聞き返しました。

私はこう答えました。

「これはマハラジの椅子です」

「おお! しかしマハラジは、私が彼の椅子に座ることを気になさらないでしょう。」

「しかし、わたしは気になってしまうのです、聖者様。」

 彼は進んで立ち上がろうとはなさらないので、わたしは立ち上がらせるつもりで、彼の手を取りました。するとスワミはわたしに微笑みかけ、自ら立ち上がってくださいました。

 その後マハラジは、わたしが設けた、マハラジがプラサードを召し上がる用の特別な席に気付かれ、こうおっしゃいました。

「おお、いや、わたしのための特別な席などいらないよ。ここには四人の神々(聖人)がいらっしゃる。どうして私が座れるものかね?」

 
 マハラジは真ん中にお座りになっていました。そして、マハラジの椅子に座ったためにわたしが注意した年配のスワミが、マハラジの右側に座っておられました。
わたしはマハラジの前に立っていました。マハラジとその聖者は、わたしをちらちらと見て、大笑いしながら会話をされていました。しかしマハラジは、わたしにその会話の中身についてお話しになることはありませんでした。

 マザー・ドゥルガーがガンガーに浸される当日は、マハラジをはじめ、すべてのスワミやブラフマチャーリーたちがガンガーの岸辺へと行かれました。
二隻の船が貸し出されました。像はスワミたちによって運ばれて、一隻の船に安置されました。
スワミとブラフマチャーリーたちは皆、船に乗り込み、近くの特別なガートに像を流しに出発しました。

 マハラジは同行されず、ガンガーの岸辺にじっと立っておられました。わたしは彼のそばに立っていました。

彼はこうおっしゃいました。

「君は行かなかったのかね!」

「はい、マハラジ。」

 それは夕暮れでした。マハラジは習慣としてこの時間に、数分間、手を合わせ、神に礼拝するのです。彼は、ご自分にいくらかガンガーの水をふりかけるようにとわたしに頼まれ、わたしはそのようにしました。
 
そしていつも通りマハラジがガンガーの岸に立ち、神への礼拝をなさっているとき、わたしは彼の御足に礼拝する機会をいただきました。わたしの人生のこの祝福された瞬間は、鮮明にわたしの記憶に焼き付いています。

 
像を水に浸した後、ヴィジャヤのお祝いが行なわれました。
みんなは列をなして一緒に座りました。
 わたしはマハラジとスワミ・トゥリヤーナンダジの後ろにいました。
 マハラジはわたしたち全員に「ジェイ・シュリー・ドゥルガー」と唱えるように仰いました。
そして一人一人に、土製の杯に入ったシッディ(大麻)が配られました。
(年に一度のヴィジャヤの期間中は、神聖な儀式としてシッディをほんの一口飲むという慣習があります。)
 

マハラジはシッディに口をつけられ、わたしが彼の後ろの席に座るのを見ていました。彼はわたしにそのシッディの杯を勧められ、わたしはそれを飲みました。

 スワミ・トゥリヤーナンダジはマハラジと同じようにシッディに少し口をつけられ、
再びその杯をわたしに勧められました。わたしは再び飲みました。シッディを飲んだのは、これがわたしの人生において初めてのことでした。
 
そして、スワミ・トゥリヤーナンダジはベランダの椅子に腰掛けられました。わたしたち数人は彼の前に立ち、お話を聞いていました。すると突然、わたしは笑いがとまらなくなってしまったのです。
スワミ・トゥリヤーナンダジはわたしを見て、こうおっしゃいました。

「アバニ、休んできなさい。」

 そしてわたしは床に就き、ぐっすりと眠りにつきました。

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