「私が見たアドブターナンダ」より抜粋(3)
ラトゥはドッキネッショルから戻ったが、放心状態のまま日々を過ごした。
彼はもはやこの世の何にも魅力を感じなくなっていたのだが、すべてを振り払って忠実に自分の心に従うこともまだできなかった。
この神聖なる不安の状態、この神聖なる不満の正体が、そのわびしさの狭間を通り抜けた者たちにしかわからないとは、なんと悲しいことだろう!
この期間、ラトゥは、自分の意志で動いているというよりは、機械的に動くネジ巻き時計のように見えたと、このころの彼を見た人々からわれわれは聞いた。
彼の肉体は、どこか別のところに行っている彼の心によって動いているのではなく、まるで川の中にある小石が川の流れに押しのけられて川底であちこちに転がるように、自動的に日々の務めをこなしているようであった。――彼の肉体を動かしていたのは、心ではなく、日々の義務であった。
ドッキネッショルに行く前は、この少年の明るく楽天的な気質が、ラームダッタの家を、笑いと陽気な騒ぎの声で賑わしていた。
しかし今やその家は、彼の急激な心変わりのために、暗く、陰鬱になってしまったかのようだった。――夢のない眠りのように、その家の中は死んだように静かだった。
シュリー・ラーマクリシュナに出会う前、彼は不屈のエネルギーと熱意を持って、素早く自分の務めを終わらせると、人々と一緒に、会話に夢中になったり、冗談を言ったりして過ごしていた。
しかし今や、彼は生きることに完全に興味を失い、まるで失望を絵に描いたかのように見えた。
一家の人々は皆、この変化を目撃していた。
このようにして数週間が経っていった――そしてさらに長い日々が同様に過ぎ去って行ったが、彼は元の状態に戻ることはなかった。ただ再びドッキネッショルに行けることだけを夢見ていたのだった。
ある日、ラトゥは口を開いた。
「それを全部僕にください。僕が全部あそこにお届けします。
道は忘れてませんよ。何とかお寺にたどり着けます。」
こうしてその日、彼は一人でドッキネッショルに行ったのだった。
それは、1880年の春だった。
鹿のように速く、彼は6マイルの長い道のりを進んでいったのだが、早く到着することはできなかった。
なぜなら、彼は道のりを正確に覚えていなかったからである。
彼はくじけずに、道のりを人々に尋ね続け、寺院に到着したのは午前11時だった。彼は師のために果物とお菓子を包んで持ってきた。
遠くから寺院の尖塔を見つけ、さらに少し近づいてシェーナイ(インドのオーボエ)や太鼓の音が聞こえてくると、彼の喜びには際限がなかった。
寺院の咲き乱れた花や蔓草のあずま屋を通っていると、彼は楽園にいるような気持ちになった。
そして、庭の道に立っているシュリー・ラーマクリシュナが目に入ると、この少年はもう感情を抑えることができなくなった。
彼は駆け出して……いや、というよりはひとっとびで、師のもとへ行き、込み上げる帰依の思いで、その御足に礼拝したのだった。
長い間ひれ伏し、そしてその二人はいろいろな話をしながら、寺院へと向かっていった。
カーリー寺院の神像の前で灯明が振られているのを見ると、ラトゥの頬を涙が伝った。
そこから、彼はヴィシュヌ寺院へと行った。
特にそこでのアーラティ(灯明を振る儀式)の光景に、彼は非常に感動して、自分を制御できなくなった。
その寺院には、「ラーマに勝利あれ、ラーマに勝利あれ(ジェイシュリーラーム)」の声がこだましていたのだった。
われわれはこれらを、この出来事を自らの目で目撃したラームラルから聞いた。
アーラティが終わると、師は彼に寺院のプラサード(神聖なおさがり)を食べるように言った。
ビハールで生まれた彼は、カーリー寺院のおさがりを食べるのをためらった。そこでは動物の肉が捧げられていたからである。
師はそれを理解して、こう仰った。
「ねえ、カーリー寺院では、肉が捧げられるのだよ。
でもヴィシュヌ寺院では、菜食の食べ物だけが捧げられる。――さらに、全部ガンガーの水を使って調理されている。
どっちが食べたいかね、息子よ。
でもね、神に捧げられた食べ物を食べることをためらうのは良くないよ。
わかったかね?」
無学のラトゥは、深く考えることなく、子供のように単純に、無邪気にこう言った。
「僕はあなたがお望みのものを食べます。
僕はあなたのプラサードしか食べません。」
師はその少年の率直さを見て、お笑いになり、ラームラルを呼んで仰った。
「この子の賢さをごらんよ。
私が食べるものを食べたいのだとさ。」
食事のときに、師はラトゥをそばに座らせて、彼にご自分が食べたものの一部をお与えになった。
その少年は、自分が最も神聖だと思っていたものを食べ、自分は祝福されていると思った。
彼の歓喜は、言葉に表わせないものであった。
午後に、信者たちが少しずつ集まり始めた。
師は彼らと話をしていらっしゃった。
夕暮れになった。
師はラトゥを見て、こう仰った。
「もう日が暮れた。カルカッタに帰らないのかね?
お前は今日一日中、ここで過ごした。」
そしてまた、師は、乗り合いの篭を借りるお金があるかどうかを彼にお尋ねになった。
少年は、何も言わずにポケットを振った。
小銭がジャラジャラとなった。
師は彼の純真さを見てお笑いになり、それ以上は何も仰らなかった。