「悟りの経験の三つの要素」④
③寂止と正観の合一
この寂止と正観の合一は、
認識のキャパシティが動こうとも、とどまろうとも、同じものにとどまる領域です。
概念の侵入のない純粋意識は、その主要な特徴です。
存在と非存在の事柄の放棄は、その付属的な特徴です。
概念がこの領域に入り、とどまるときに、概念をほうっておくことによって、
それらは自然に解放されるでしょう。
寂止と正観は、至福、光輝、そして非二元性の経験を強化します。
――そして、顕現と空性、正しい方便と智慧、生起のステージと完成のステージの完成は、自然にやってくるでしょう。
もし不安や興奮が生じたら、その根本である三毒に対抗するために、寂止と正観が適切に用いられなければなりません。
こうして、認識のキャパシティは解放され、光輝が生起し、すべての事柄のヴェールは剥がされるでしょう。
この段階に至った人が、空がまぶしく輝き、雲ひとつないとき、
太陽に背を向けて空を見るならば、
外面的には、その透明な空は、論理的納得のための例として役立つでしょう。
内面的には、そこで経験される「経験としての経験」、真実の空の経験は、以前よりも大きいものがあるでしょう。
神秘的には、純粋な光輝である存在のエネルギーという空があります。
この三つの空を知ってください。
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